犬ふぐり踏まれぬやうに咲けるだけ
地べたに這いつくばるように咲いている。
さらに、何かのかげで冷たい風を避けるかのように。風が厳しいところでは花も小さくて、足元をよく見ていないと踏んづけてしまいそうだ。だからなんだろうか、狭い場所に数いっぱいの花を咲かせるのは。「気づいてくれよ」と。
そう言えば、「花とおじさん」なんて歌があったっけ。
小さな花に口づけをしたら 小さな声で僕に言ったよ おじさん あなたはやさしい人ね 私を摘んでお家に連れてって。。。。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
犬ふぐり踏まれぬやうに咲けるだけ
地べたに這いつくばるように咲いている。
さらに、何かのかげで冷たい風を避けるかのように。風が厳しいところでは花も小さくて、足元をよく見ていないと踏んづけてしまいそうだ。だからなんだろうか、狭い場所に数いっぱいの花を咲かせるのは。「気づいてくれよ」と。
そう言えば、「花とおじさん」なんて歌があったっけ。
小さな花に口づけをしたら 小さな声で僕に言ったよ おじさん あなたはやさしい人ね 私を摘んでお家に連れてって。。。。
凍解やかかと踏み踏み渡りをり
日に当たった部分から解けてくる。
解けた部分にはタイヤ痕がくっきり浮かび、溝の部分には解けた水が沁みだしている。泥たまりをかかと着地のジャンプで越えようとしたが、やはりズボンの裾を汚してしまった。
遠山に電波塔六基冴返る
朝起きたら雪が降っていて、屋根や道路にうっすら積もっていた。
間もなく雪は止んで晴れてきたが、葛城山ほか遠くの山がくっきり見えるほど空気が澄んで風の冷たさは変わらない。赤白に塗り分けられた生駒山のテレビ塔も肉眼ではっきりと数えられる。
奈良は今年一番の冷え込みだったとか。明日はさらに零下3度の予報。春は名のみの如月。
季語「冴返る」の句、他2編ほど。
右信貴山左龍田へ冴返る
懐手したる自転車冴返る
春泥や見つけし歌碑の黒御影
奈良には奈良を深く愛した会津八一の歌碑が多い。
秋篠寺を南門から入ってすぐ左の林の中にもその歌碑はあった。
秋篠のみ寺を出でてかえり見る生駒ヶ岳に日は落ちんとす
よく磨き込まれた黒御影には本人揮毫による全ひらがなの達筆が刻まれている。