火照りを冷ます

半日を野良で過ごして夕涼み

午後一杯は庭やマイファームの手入れ。

汗を流したらすぐに外の風にあたり体を冷やす。
普通の人なら何をおいてもビールだろうが、飲んでしまうとたちまち眠くなってしまってその後は何もできないので晩酌というのは滅多にしない。

だいいち発句というのは夜にならないとできないので。

風に吹かれて

葛切りや黄粉と蜜とベンチかな

吉野の今頃といえば何と言っても「葛」製品だろう。

額に汗する季節には葛切りがすいすいと喉を通るときの快感がなおさら増す。
最近は黒糖シロップをたっぷり使うようであるが、昔ながらの密糖もまたよい。

緑陰で自然の風を受けながら食うのがお似合いだ。

涼しくない話

緑陰や節電要請始まりぬ

大飯原発稼働のおかげで関西電力はj実質10%程度の節電要請に収まった。

福島の事故を思えばこれを素直に喜んでいいのか正直戸惑いはある。
ただでさえ国内での産業立地が難しくなっているおり、原発が止まれば現在の経済というのは立ちゆかないのだろう。しかし、そうだとすればよけいにエネルギー政策の中長期ビジョンを描いて共有することが大事なのではないか。政治に今ほど求心力が求められている時代はない。

政権ほしさに徒党を組んでただけの話で、もともと考えの違う人たちの寄せ集め所帯が今更割れるのがどうのこうのといってる場合ではない。それよりも将来の政治の基本軸が一段と不明瞭になっている今、もう一度争点を整理、明確にしたうえで世間の判断を仰がねばならない。

緑陰で涼しくなるはずだったのに、政治のこととなると途端にヒートアップしてきた。

明け方の涼しさ

夏掛けの明け方寒し膝曲げぬ

昨日、今日と雨が続いている。

沖縄や奄美の梅雨が上がるといよいよ本土の梅雨本番だそうである。
今日などは湿度計をみると80%にのぼった。

ただ、気温はまだ本格的な夏を前にして30度止まり。そして、朝などは20度を切るくらいなので、うっかり薄着のまま寝ていると少々寒いくらいだ。

晴間の洗濯ならぬ

梅雨晴ややもめ六十路の忙しき

今日は暑かった。だが、湿度が低くて助かった。

明日はまた雨の予報なので、主婦ならずとも束の間の梅雨の晴れ間を有効に使わなくてはいけない。
空中に吊した西瓜を支えるためにハンギングモックを準備し、支柱を強化。
これで重量10キロ超えの西瓜でも大丈夫だろう。
3株なので全体で6~8個成らせる予定だが、果たしてあと40日ほど。無事収穫といきますかどうか。

声に出して読もう

おそまきに耽る古典や明易し

2年かけて源氏物語全巻読破するプロジェクトだという。

7月から始まる俳句仲間sassa君の「源氏物語 道しるべ」の開講準備もいよいよラストステージ。
これにしたがえば、いつのまにかあの長編の最後までを原文で味わっているという、まことにありがたい講義なのだ。昔、古文は苦手だったが、還暦をとっくにすぎての古典挑戦も悪くない。なにしろ時間があるのだから。
まずは最初3ヵ月はウォーミングアップ期間で肩慣らし。やがて源氏物語とも切り離せない万葉集、百人一首なども逍遥しながら進めていくと、より立体的な源氏物語の理解がすすむという段取りになってるらしい。

教科書としてまずはお奨めの「古典セレクション 源氏物語」(小学館)の桐壺~花散里に相当する1~3巻を手に入れた。

いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に。。。。

で始まる冒頭部分を声に出して読んでみると、加賀美アナウンサーの名調子が思い出されて名文とは耳にも心地よいものだということがよく分かる。
ただ、注釈を引きながら読むのでどうしてもスピードが伴わないし、本を読み出すとつい夜更かしになってしまう傾向が強いので、うっかりすると夜が明けてしまうということになりかねないので要注意だ。

食物連鎖

あめんぼの身を寄せるごと岸辺かな

水面をかすめるようにたくさんの燕が飛んでいる。

なかには、飛翔の切れが悪い子がいるので今年孵った幼鳥だろうが、みんな何回も水面に首を突っ込んではタッチアンドゴーの繰り返しである。

おそらく水面に浮遊する虫でも捕食しているのだろうが、そういえば先頃まで大量に浮いていたあめんぼうの数が心なしか減っているように見える。
生き残った連中が岸辺に吹き寄せられるかのように集まっており、まるで燕の攻撃を避けるかのようだ。