蘊蓄をかたむけ亭主の花水木
街に花水木が賑やかに咲くようになると東京の家が懐かしくなる。
メインツリーとして20年以上我が家の顔だった花水木が満開を迎えると、ご近所の人や通り過ぎる人から賞賛の声をいただいたものだった。
今でこそ花水木は街路樹に庭木にとポピュラーな存在で、各種の栽培品種も出回っているが、当時ははなびら(実際には花弁ではなく総苞片)が小さな薄赤色のものしかなかった。
ただ、元来樹形が円錐形に整いやすく、葉よりも花のほうが先ということもあってこれが枝いっぱいに花をつけるとさながら春のツリーという風になり、遠くからでもはっきりと認められるのであった。
その花水木の足下には芝桜やらサツキやらカルミアやら、これから5月連休にかけて賑やかな日々がやってくる。



