窓辺で

やうやうに明日は君待つ春日和

新居での生活はたった四ヶ月。
しかもその殆どが君が苦手の冬だったね。
ここにきて季節も変わり目をむかえ、大好きだった本格的な春が今ようやく来ようとしている矢先に君は逝ってしまった。
君にとっては大きなストレスに違いなかった環境変化に対して、その体調管理を怠ったことが寿命を縮めてしまったのではないか、という悔恨ばかりが身を責める。

明日は天気予報によると日中14度に達する3月中旬の陽気になるという。


窓辺のこんな寝姿を思い出したりすると、春の陽気さえ哀しい。

葛城の雲となる

春めくに腕の骸は冷えおりぬ

猫の逝くせめて手向けの蘭黄色

今日ほだかの葬式を済ませました。
大好きだった品々や六文銭を持たせて。
棺には咲いたばかりの黄色いカトレアも添えてやりました。

薄氷や荼毘の煙の雲となれ

霊園の池には薄氷も見られましたが、天気そのものは久しぶりに一日中晴れてくれました。
霊園は竹内街道そばでしたので、荼毘の煙が葛城山の雲となり、ほだかの魂も高くのぼっていったと思います。

葛城の 峰に湧きたつ 雲なるは
   愛しきものの 魂なるべし

合掌。

一転して

つぎつぎと光生まれる川の春

正面奥は明神岳で大阪方面。中央の橋は近鉄生駒線鉄橋。その右すぐに信貴山口駅があります。左が久度神社の杜。

太陽の位置が高くなった。
しかも、光の量が違うとこうも景色が変わるのかと思う。

写真は昨日のもの。
今日は寒が戻ってときどき雪が舞っていた。

内なる充実

ヒヤシンス目出し帽ごと防御かな

芽を出したはいいが、寒さ続きで首をすくめているようだ。

去年暮れに植えた球根が地面から顔を出したのが1月末頃。
以来、毎日少しずつは伸びてきたのであるが、ずっと背を低くしたまま花芽だけの充実を図っているようである。
奈良ではお水取りが終わらないと春が来ないというから、しばらくこのままの状態が続くのかもしれない。