微かな望み

昨日サーバー会社で大きな変更があり、昨日の投稿分が反映されておりません。
具体的には手許のバックアップが昨日午前3時時点のものですので、それ以降の分は再入力をお願いいたします。
ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。

ふんづけてなほ踏み固め大根植う

菜園の大根が毎年上手くいかないので、今年は少し早めに蒔いてみた。
彼岸頃に蒔くのがいいらしいので、失敗すればまだチャンスがあるし。
原因ははっきりしていて地中深くに潜む大根ハムシの仕業である。場所によってはまったくいないところもあるようだが、当歳園はどこも皆さん悩みの種。箸やピンセットでこまめに除く人もいるが、そんなことではとても追いつかないくらい数が多いのである。
早く蒔く狙いはそうした虫が、もしかしたらこの暑さで活動が鈍っているかもしれないという微かな望みにかけているからである。
しっかり芽が踏ん張れるように土を踏んで固めてあとは結果待ち。

天を仰ぐ

稲の花あるじ病に倒れしと

盆地の田はようやく花の季節を迎えた。

菜園の隣では田植したもののその後体調を崩して田の草もままならないのは見るに忍びないが、他の田にくらべやや遅れてはいるものの穂が揃い始めた。
主に代わって面倒を見ている人もいるようだが、やはり毎年のように美しいとは言えない。
境界の草を折半しながら刈ることになっているのだが、この分ではこちらが負担せざるをえず、いつまでも残暑が尾を引いている状況では天を仰ぐしかない。さらに、秋冬野菜の準備に追われるなかでなかなか手が回らないというのもあって、気をもんでいるのだが。

喜雨

出穂のけふか明日か稲の妻

久しぶりにしっかりした夕立があった。

いつもなら一二度咆えるだけで終わる雷も今日は大サービスだ。
雷の放電によって大気中の窒素が地上に降ってくるそうだ。したがって雷の多い年は豊作というのはあながち迷信ではないと言える。
この雨と雷によって毎日眺めている田も明日あたりは出穂が見られるかもしれない。出穂前の大事な時期の雨と雷に農家は喜んでいるのではなかろうか。
そういう素人菜園家もこの雨は大賛成であることはちがいない。
「出穂」は通常「しゅっすい」と読むが、掲句では「でほ」として扱っています。

秋がない

原付のカバーに残る処暑の雨

今日は処暑だそうである。

暑さが峠を越えて秋らしくなるのだという。
たしかに夕方雨雲が過ぎたあとはそのまま曇となって、いくぶん暑さがやわらいだ気がした。
ただ、太陽が隠れて強烈な紫外線が遮られたただけで、大気そのものは湿度も変わらず夜になっても新涼という気分にはほど遠い。
やはり秋というものは朝と夕からはじまるものだと思うのである。
長期予報では11月まで平年以上の高い気温だとか。秋を感じないまま冬に入るのであろう。

実験

朝の陽に花小さくも秋茄子

なお暑いけれど茄子が復活してきた。

ここは実験畝で草や落葉、もみ殻、竹、木材などを埋め込んで肥料、農薬はいっさい使用しない健康野菜を作ろうというチャレンジ畑である。
最近知られるようになった植物と地下の菌たちのネットワークの力によって栽培しようと言うのである。
前期は湿度が足りなかったのが原因で菌が発生しなかったので栄養不足で成長が今一歩、弱った茄子は虫に食われるはでぼろぼろだったのである。
原因がはっきりしたので、大変だったがせっせと水やりを続けていたら最初の菌糸が見えてきた。こうなるとしめたものである。
あとは菌のネットワークが育つよう見守るだけである。
その甲斐あってか艶のいい秋茄子が育ちつつある。今度は虫喰いもなさそうでこのまま順調にいくといいのだが。

挽回

跳び先はおんぶばつたの妻に聞け

極端にアンバランスなおんぶバッタのカップル。

今日見つけたのは夫は妻の十分の一くらいしかない。
どこへ行くにも妻任せの夫は気楽なものである。
今年はバッタの活躍が少々遅いようで、それも暑さのせいだろうか。
こいつらが増えると一番頭を悩ますのが冬野菜の苗を食い荒らすことである。順調にきていても突然成長の芽を食われると一巻の終わりである。それでも夏野菜ならば蒔き直しして挽回可能だが、冬野菜の一週間の遅れは一ヶ月の遅れに等しく苗を買うしかなくなるのだ。
とりあえず緊急避難として部屋に取り込んだが、その後はどうしよう。

残暑

はびこりて手こずりをりぬ猫じやらし

今年の猫じゃらしの元気の良さといったらない。

猫じゃらしにかぎらず、おおむね今年の草は猛々しいものがある。よほど雨に植えていたのだろう、数少ない雨のチャンスも逃すまいと一気に丈を増してくる。
猫じゃらしの実はこれまたなかなか立派な尾のようで、これを放置したらとんでもなく種をまき散らすのは必定で、若いうちに刈らねばと思うが何しろこの暑さである。なかなか予定通りにはいかない残暑である。