週末に備え

前触れの雨容赦なく台風来

命に関わる台風だという。

予想進路にあたる人たちの恐怖はいかばかりであろうか。
とくに今回は猛烈な風が心配されている。当初予想の80が85メートルまで台風が発達すると聞けば、空恐ろしくもある。
当地の朝は雨から始まった。紀伊半島南部、東海地方も同様の荒れようと聞く。
コロナの家籠もりに加え、雨戸を閉めて台風の無事に過ぎ去るのをただ待つしかない週末である。

庭のもの

天気図の指し棒先にある台風

最大風速80メートルだという。

裕次郎の40メートルなんて今ではお茶の子さいさい。
おそるべき風、自然である。
散らかっている庭のあれこれも放置したままだから、次の台風までには片付けなきゃと思うことしきりである。

慈雨の声

日の落ちて気配ありけり草の虫

遠慮がちに鳴いている。

六七月ごろはコオロギの声を聞いたが猛暑となって全く鳴りを潜めていたのが、ピークは過ぎたとばかりに鳴き始めたようである。
集く虫とはまだいかないが、それでも微かな声に全神経を向けている自分がいる。
今月もまだまだ猛暑が続くと言われ、コロナ疲れに加えて猛暑疲れもあいまって少々参りつつある身には慈雨とも言える虫の声なのである。

双子

電柱に烏集きて厄日かな

今年の二百十日は昨日の31日。

だいたい九月に入ってからというケースが多いようであるので意外であった。
おりしも台風8号、9号が近づいていて、双子型にも見えて相当強力な勢力になるとのこと。
雨よりも風が恐い当地である。

トーン

熱帯と化したる宵の秋の蝉

今朝も庭に来て賑やかなトーンを奏でている。

短い時間であったがクマゼミを聞くよりははるかに心地よい。
あとは夕方の蜩を聞きたいものだが。

頭上から

天泣のごとく降るなり秋の蝉

ようやく法師蝉の声を聞いた。

それも自宅の壁にである。
いきなり頭上から降ってくるものだから、最初はどこからか分からなかったが、聞けば聞くほど声は近い。二階の壁の辺りであるが暗くなりかけているのでさだかには見えないが、間違いなくそこにいる。
ところがいったん家の中に入ってみると声が聞こえない。機密性の高い二重ガラスを閉めて一日中エアコンをつけていると気がつかないのだ。たまたま夕方の散水で外に出て気づいたのであるが、ズボラを決め込んでいると聞き逃すところだった。
「天泣」とは晴れているのにどこからか降ってくる雨のこと。かんかん照りの一日がようやく暮れようとしているときに空から降ってくるような法師蝉であった。

目鼻立ち

濃き虹を置土産なる野分かな

遠い台風の尻尾が当地に伸びてゲリラ豪雨並みの雨をもたらした。

来たついでにせめて30分くらい降って乾ききった大地を湿らせてくれよと願ったところ、二度ほど来ては降らせて過ぎたがそのあと特別涼しくなったわけじゃない。ここのところ日課となっている夕方の散水が免れたのは助かったが。
さらにもうひとつ。ほんの短い時間だったが目の前に目鼻立ちのくっきりとした虹が立ったのだ。
あの方向はまだ降っているわけで今夜は気が抜けないらしいけど、ふだん家に閉じこもりがちな生活にちょっとした彩りを添えてくれた虹に感謝。