産土の杜に陣引き秋の蝉
つくつくもかなかなも聞かない夏である。
しかし、アブラゼミやクマゼミは相変わらずだが、ほんの少し変化が起きているのは一週間ほど前まで庭で煩いほど鳴いていた蝉の声が遠のいていることだ。
八幡さんの森にでも引いたか、いくらか静かな朝となって早くから暑さをかきたてることもなくてほっとする。
ここでかなかなでも聞こえれば秋を感じることだろうが、それはいつのことだろうか。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
産土の杜に陣引き秋の蝉
つくつくもかなかなも聞かない夏である。
しかし、アブラゼミやクマゼミは相変わらずだが、ほんの少し変化が起きているのは一週間ほど前まで庭で煩いほど鳴いていた蝉の声が遠のいていることだ。
八幡さんの森にでも引いたか、いくらか静かな朝となって早くから暑さをかきたてることもなくてほっとする。
ここでかなかなでも聞こえれば秋を感じることだろうが、それはいつのことだろうか。
宅配の箱取り入れる秋暑し
クール便すぐに汗かく残暑かな
残暑なんてもんじゃない。
炎帝がいまだどっかり居坐っているにちがいない。
全国の気温マップを見ても東日本がようやく真夏日レベルに達してきたのに、西日本は猛暑日オンパレード。
こういうときはひどいとこに越してきたものだと思ってもあとの祭り。
隣県の空暮れかぬる稲の殿
山向こうが盛んに稲光する。
西の山ひとつ越えれば大阪だが、その上空に雷雲が走っているらしい。
今回は生駒山系に遮られてかさいわい当地にはやってこない。
遠くに稲光を見ながら盆地の稲という稲が実を結ぶのである。
二学期の明日に始まる地蔵盆
7月24日が地蔵盆法要の日である。
ことしは23日が日曜と言うこともあって当地では今日催される。
いつもなら子供が楽しみにしているのであるが、今年はコロナ感染を心配して関係者だけで行われるところが多いと聞く。
夏休みの楽しい行事だが、夏休みは明日でお終い。子供たちには文字通り短い夏である。
山畑の畔に座を占む南瓜かな
収穫してからしばらく寝かす方が甘味が増すそうだ。
農家では一か月とか保存してから、これを追熟というそうだが、出荷するケースがほとんどだという。
自家消費の場合では秋に収穫して何か月も保存しながら食べられるので、保存食という意味でも貴重である。
そう言えば、冬至に南瓜を食べると風邪を引かないというけど、あれは甘味がますうえに栄養分が損なわれないからではなかろうか。
おかはりの茶碗さしだす秋はじめ
毎日冷たいものばかり食べている。
それでもお腹をこわすこともなく食欲は衰えてはいない。
ただ、最近は少し食べる量が減っているようである。それも道理である。毎日家に閉じこもったまま動かないのだから。
人間の体はうまくできているというか、微妙なものである。
もう少し秋を感じるようになるといろいろなものを食べたくなるのであろうか。
糞害の一葉の秋の白さかな
川鵜とか烏とかは高い枝が好きなようである。
だいたい彼らはコロニーを形成するので、大きな木、例えば桐などに塒をさだめてその木を痛めてしまうことが多い。
ここのところ歩いてないが、好きな散歩コースには桐の大木が何本かがあって、その中の一本がひどく彼らにやられている。
やられると言うことは、糞まみれになって枝自体が枯れてしまうことである。
惨めになった枝振りの桐をみるたび、この桐一葉という言葉を思い出すのである。