氷室神社献氷祭

献氷の細工透かして若葉陰
献氷の細工を染める若葉かな
かき氷日がなふるまひ献氷祭

今日5月1日は奈良市氷室神社の献氷祭。
氷室神社献氷の龍

奈良時代に春日野に氷室を設け、それを祀ったのが起源という神社らしい。
この日は全国から製氷冷凍業界の人たちが集い、この年の天候が業績に幸いするように神前に氷柱や、なかには写真のように龍の氷細工が献じられていた。
溶け始めた氷から点々としずくが滴って、今日は気温も25度近くにのぼったらしい。境内では無料のかき氷に列ができるほどで、外国人観光客たちも珍しそうにして食べていた。

神事もいろいろあって、夜には氷の献灯もあるほど一日中続くお祭りだが、万葉植物園の藤棚ももう一つのお目当てなので長い時間はかけられなかったのが心残りといえば心残り。

更けてゆく春

石楠花の玉の巨きを愛でゆけり

雨が通り過ぎたようなので家人と駅まで散歩した。

いつも行くコーヒー店で家人はアイスコーヒー、汗ばむような陽気だったのでどうかと思ったが僕はブレンドコーヒーを飲む。駅に隣接したショッピングモールの小さな店だが、ここの豆が意外にうまいのだ。店で売っている豆と他のブレンド豆も買って帰った。

帰りに路地の酒屋を通りかかると、すでに昼間から立ち飲みの客もちらほらといて、のどかに春が深まっていく。この通りはかつては商店街で、今となっては酒屋2店しか営業しておらず、その他はシャッターを閉じたまま、あるいは建て替えられても住居専用になっていたりで、「北新道」と書かれた街路灯も色褪せているのがさらに侘びしさを募らせる。
このような古びた路地も丁度今頃は鉢植えの花でちょっとした賑わい。なかには見たこともないような、大きな玉をつけたりっぱな石楠花の鉢もあって目を楽しませてくれる。

ブルーシート

葺替の雨天休業青シート

近所のお寺でお屋根替があるらしい。

が、ここ2,3日の雨模様で全体にすっぽりと青シートがかけられている。この雨が止むまでしばらく葺き替え作業は中断なんだろう。

宇陀水分神社

囀の降りける杉に神宿る

宇陀水分神社の神殿は国宝。

その立派な神殿の後背部が斜面になっていてうっそうとした杉の林が広がっている。その大きな杉の木立をぬって鶯が逍遥したり、高みで名の知れない鳥が歌っている。それらの声が反響するかのように、本来はしんとした境内の静けさを揺るがしていた。

紫外線

鶯に愛車磨きのはかどりぬ

昨日今日は最高の連休日和。

久しぶりに洗車、ワックスがけにたっぷり時間をかけてみた。というか、何もかもいっぺんにやるには負担がきつくなっただけの話だが。ただ、ありがたいことに自宅から鶯の声がよく聞こえる。近所の八幡さんの森の方角だと思うが、のんびりとした声を聞かせてくれるのだ。おかげで、その声を背に一人黙々と作業しているのだがちっとも苦にはならない。
暑くなってくる時分には信貴山の方へ向けてもっと高いところに登っていくのだろうが、しばらくは楽しませてくれるに違いない。

それにしても、外の紫外線というのは強烈だ。サングラスなしに外で作業していると、家の中に入ってもしばらくはよく見えないくらいだ。これも老化のあらわれだというのかな。

村おこし

村おこしせんと廃校若楓

宇田水分神社そばの小学校跡地が、世界の楓を集めた楓園としてスタートしたのが昨年。

いつもの句会の今月はその楓園を訪ねる吟行となった。天気も最高でちょっとした行楽気分にもなる。
行ってみて分かったことだが、楓の種類の多さはもちろん、その若葉の色や形の何とバライエティに富んでいることか。ちょうど花の時期でもあるので、それぞれの花が確認できたが、これも色や形が千差万別なのである。

とりわけ、春の楓は秋の楓より色が多彩で、もしかしたら秋よりも楽しめるのではないかとさえ思えるのだった。

みどりご

その首まだすはらざる柿若葉

柿の木が芽吹いたばかりというのは、芽の先端をもたげることができない。

まるで赤子の首が座らないようにみな一様にうなだれたように先端が下を向いている。
するすると伸びる自分の重みさえ支えられないほど、枝の充実が追いついてないからだ。
これが数日もしないうちに、いつのまにか首も座りしっかり上へ向けて伸びている。まるでさなぎが羽化したばかりのようで、動物も植物も生まれたばかりというのは変わらないのじゃないかとさえ思える。