顔を出せ

買い物の ついで土筆を 探しけり

そろそろ土筆が顔を出す頃なのだが。

家内が買い物から帰ってきて、それらしい空き地を探してみたがまだ土筆の姿は見つからなかったと言う。

梅はまだか

常ならぬ閏二月の梅二輪

どちらでも、この時期の花が相当遅れているらしい。
東京から移植した白梅などは例年早ければ1月末には咲き始めていたのだが、未だ蕾のままだ。
気候の違いや今年の寒さ続きも原因なのかもしれないが。

石光寺の庭で見た紅梅、それもたったの二輪だけ、が今年最初のものだ。

温かい雨

菜園の土を起こす日雨水かな

節気のひとつ、雨水はそれまでの雪に代わって雨が降るようになる変わり目で、いよいよ農耕の準備に入ることができるとされた。 
今年の雨水は幸いにも晴れて、ほだかの弔いには穏やかな日だったが、今日ようやく待望の温かい雨が降った。まことに自然は規則正しく回っていると感心するばかりである。

だんだんよくなる

初鳴きは二の句継げずに仕舞ひけり

線香をかざす手止まる初鳴きかな

初七日の供養後、敷地に隣り合った谷のほうから調子覚束ない鶯の声がする。

さあ、もう一回と耳を澄ませて待ったがもう聞こえてこない。
あれは彼にとっても今日のが初鳴きに違いない。
プロ野球だってキャンプがあり、オープン戦があるんだし、春本番に向けて毎日少しずつ上達していけばいいよ。

石光寺

和毛生ゆ君の尾もまた猫柳

ちょっと早めですが、初七日の供養をあげてきました。

帰りに立ち寄った石光寺は牡丹の寺として有名ですが、冬には寒牡丹が見られます。その寒牡丹もそろそろ終わりをむかえ、替わって紫色の芽が銀色の毛で覆われている猫柳を見つけました。

窓辺で

やうやうに明日は君待つ春日和

新居での生活はたった四ヶ月。
しかもその殆どが君が苦手の冬だったね。
ここにきて季節も変わり目をむかえ、大好きだった本格的な春が今ようやく来ようとしている矢先に君は逝ってしまった。
君にとっては大きなストレスに違いなかった環境変化に対して、その体調管理を怠ったことが寿命を縮めてしまったのではないか、という悔恨ばかりが身を責める。

明日は天気予報によると日中14度に達する3月中旬の陽気になるという。


窓辺のこんな寝姿を思い出したりすると、春の陽気さえ哀しい。