リニア招致くすぶってゐて山笑ふ
生駒の山々が萌えている。
鞍部にある暗峠もさすがに萌黄色がまさって、いつもよりよほど明るく見える。
聞くところによると、生駒山はかつて全山どこでも松茸が採れたそうだが、その後の松枯れのため楢や櫟にとって代わられた。が、やがて薪からガスの時代になると手入れもされず大きくなりすぎて、今度は楢枯れの浸食で姿を消すのも時間の問題だという。
そうなると、次は青木などの低い照葉樹の出番となって、今とはまたまったく異なった様相を見せるらしい。
わずか100年ほどのあいだに目まぐるしく植生が変わるとは驚きだが、ここ2、30年のうちにリニアが貫くかも知れず、太鼓から聖地として崇められてきたお山も騒々しいことだ。
騒がしいと言えば、今さら万博だの、賭博場など、都構想など、よそからは冷たい目で見られていることに気づかないのだろうか。