秋に充実するには

四季咲きのバラも小振りの小庭かな

八月の バラや小振りの 花装ひ

四季咲きのバラというのは、剪定を怠らなければ初夏の頃から夏、秋へと次々に花を咲かせるが夏季はどうしても花振りが小さくなってしまうし、花期も短くなってしまう。
ところが、この小振りのバラが咲いたら思い切って切り戻して枝の充実を回復すれば秋にはまた立派な花が咲いてくれる。
ちょうど今頃が切り戻しのタイミングになるが、何しろこの暑さだから肥料はまだしばらくの辛抱だ。

颯爽としたプリンス

貴公子のごと背筋一本秋刀魚立つ

秋刀魚が新鮮かどうかは目の具合もそうだが、尻尾を持って立ててみると分かるという。
ピンと一本立ちするのが活きのいいやつ。
網にのせてもあの銀色の魚体がピンと一本に伸びているのはいかにも潔いし、何より塩をふって焼くだけという単純な料理が好ましい。
大根おろし、かぼすとの3点セットは視覚的にも嗅覚的にも秋の序幕に登場する颯爽としたプリンスだともいえるのではないか。
ちなみに、自分はまずはらわたから食うことにしている。

主役交代

門灯を慕いし蝉や今朝落ちぬ

昨夜門灯に誘われて羽をばたばたさせていた蝉だろうか、今朝新聞を取りに出たところ門灯の下で一匹が腹を見せて転がっていた。
そういえば先週まであれほどうるさく鳴いていたセミ達の姿がめっきり減ったようだ。
昨夜虫の初音を聞いたが、秋冷の到来とともに庭の主役が交代したようだ。

旱天の慈雨

新涼や上掛け一枚重ねたり

昨晩は寝苦しさからようやく解放され久しぶりに気持ちよく寝られた。
昨日の大雨も旱天の慈雨というものだろう。
乾ききって熱気さえ帯びていた大地も今日は気持ちよさげである。
おかげで蚊の大襲来に悩まされていた庭や鉢の水やりからも昨日、今日と解放された。

旧習

連なりて蛇行の尾灯や帰省かな

帰省Uターンのピークと報道されていた日を過ぎたので昨日遠出をしてみたが、案に反して帰りは高速道路もサービスエリアも子供たちを連れたUターン族で満ちておりひどい渋滞であった。
高速道路、とくに静岡県あたりを走ると特にそうなのだが、平坦な上に直線にならないように設計されているので遠くまで先行車の列がよく見えることがある。
夜などは暗い背景に赤い尾灯が連なってうねうねと蛇行する幻想的ともいえる状景に出くわすと、お盆には帰省するものだという日本の旧習もまたいいものだと思う。たとえ混雑や交通渋滞という困難があったとしても。

帰省の思い出から

曲がるたび車窓かすめて遠花火

今日は遠出をした。
帰宅があやうく午前様になりそうだったので全くの推敲不足だけど、と言い訳する(笑)
実は高速道路を走っている時ふいに10年以上も昔の記憶が蘇ったのである。
お盆の帰省Uターンでの道々のことであった。
東名高速浜松あたりだったろうか、最初はフロントガラスに小さく見えていた遠くの花火が、車窓の右や左に位置を変えながら見え隠れしていたのが見る間に近づいてきて、しまいにはウィンドウからはみ出すくらいまでの大きさになり、しかもド~ンという音さえ響いたのでひどく驚いたことがある。

涼の恩恵

緑陰や近しき人ら長談義

緑道や 木立の人の みな涼し

あまりに暑いので盛りを過ぎてから、近場のポタリングで今日の日課をこなすことにした。
いつもの川沿いの道は近年桜の名所となり花の季節は大賑わいだが、季節をはずすと散歩やジョギングの人がメイン。それでもこの酷暑では朝夕以外は人もまばらになる。
この自転車歩行者専用道でふだんよく顔を合わせる人ともしばらく疎遠になる期間だ。
しかし、たまに出くわすと挨拶から始まって近況報告やら雑談やらで時間があっという間に過ぎてゆく。水際であること、木陰であることで周りに比べて温度は幾分低いのも好都合なのである。