弁当をどこに広げん犬ふぐり
梅見に来ていたグループがシートを広げる場所を探している。
梅園の足元はまるで星を散りばめたように犬ふぐりの小さな花が咲いていて、腰をおろすどころか足を踏み入れる所さえ見つけるのが難しい。
カメラを手にしていても足元が気になって、なかなか思うとおりのアングルが得られないのももどかしい。
もうずいぶん前から気づいていたが犬ふぐりはとうに咲いていて、これからしばらくの間ピークが続く。

めざせ5000句。1年365句として15年。。。
弁当をどこに広げん犬ふぐり
梅見に来ていたグループがシートを広げる場所を探している。
梅園の足元はまるで星を散りばめたように犬ふぐりの小さな花が咲いていて、腰をおろすどころか足を踏み入れる所さえ見つけるのが難しい。
カメラを手にしていても足元が気になって、なかなか思うとおりのアングルが得られないのももどかしい。
もうずいぶん前から気づいていたが犬ふぐりはとうに咲いていて、これからしばらくの間ピークが続く。
霾れり大気揺るがぬ日並みにて
昨日から黄砂が降っているようだ。
車のボンネット、ルーフなどに実に細かい粒が乗っている。とくに今日は全くの無風だから飛んで来るという感覚は全くなく、ただ天から静かに降ってくるだけである。
「霾」と書いて「つちふる」と読ませる。雨に獣でなんで黄砂かと思うのだが、そういう決まりだから仕方がない。
今日などはまさに春の陽気のあったかい日で、辛うじて二上の姿がおぼろに見えて霞かとも見えるのだが、黄砂だと聞くとPMなにがしの不浄にまみれているようでもあり、ようやくの春の気分も萎えてしまう。
発電の余熱が恵む若布かな
東電の某発電所ではこの時期、生若布を地域の関係先に配り歩く習わしがあった。ただ、3・11以来同社は大変厳しい環境に置かれているので、今もこの習わしが継続されているかどうかは分からない。
発電所と若布の関係だが、発電所の温排水を海に放流するとその排水口周りに多くの生き物が生息する環境ができる。たとえば若布のような海藻類ができると、小魚が棲みつき、それを狙った大型の魚も寄ってくるという具合だ。
発電所の温排水はもちろん厳しく管理されているので環境に悪影響がないどころか、一年中一定の温度で放水されるので生物たちの生育も順調で若布などもたいそう立派に育ってしまう。これを清掃する目的もあって年に一度大がかりな若布刈りとなるのだ。口に入れても問題ないかどうか、これも環境がちゃんと守られているかどうかのリトマス試験紙でもあるわけだ。
また、このように周年温かい排水が流されていると、本来秋深くには深場に落ちてゆくはずの魚たちも居着くことになるので、それを狙った遊漁船も出る。君津あたりでシマダイの強い引き味を楽しませてもらった記憶が懐かしい。
俳句を始めるようになって若布は春の季語であることを知ったが、この時期になると若布を満載したトラックから若い従業員何人かが降りてきて生若布をドサリと置いてゆく光景を思いだす。
春宵の雨の予感の香りかな
ワイパーで拭へぬ曇り春の雨
もうすぐ雨がくるというサインだろうか。
土の香りがいつもより強い。
今日は南から暖かい風が吹いて雨混じりだという予報だが、宵になっても降ってくる気配はない。ただ、香りだけは何時雨がきてもおかしくはない感じなのだが。
外出から戻ってきたら家の近くまで来てようやく本格的な雨が降り出してきた。今度は、フロントガラスの油曇りがワイパーで掃いても掃いても消えるどころか広がる気さえしてくるのだった。
初雲雀打ち振るはする様見えて
4,5日前の寒い日に雲雀を見た。
この時期はあまり高くまでは上がらないのかどうか、肉眼ではっきり羽根を振るいながら風に向かっているのが見えた。一ト月くらい先ではないかと思うくらい暖かった今日もよく鳴いていたが、やはり肉眼で捉えることができた。
縄張り宣言の初期段階かと思うが、これからは家を出れば毎日頭上でさえずるのを耳にできるのではないかと思うと、やはり春はもう来ていると思うのだった。
原則をさぼりたるにや春の風邪
手荒い・うがい励行は風邪予防の初歩。
ほかにも十分な睡眠をとって疲労をためない、汗をかいたら冷やさない、人混みの多いところではマスクなどして注意する。そういうことをきちんと守っていたらまずは風邪などひかないのだろう。
ところが寒さがちょっとゆるんだ途端の油断だろうか、くしゃみしたり鼻声になったりしておかしいなと思ったら風邪である。
近年は花粉アレルギーも増えているので、もしかしたらとうとう自分も仲間入りかと思うこともあるが、風邪は風邪。早々に寝ることにした方がよさそうだ。