二車線をともに突つ込む白雨かな
高度510メートルの標識がある。
気温計は盆地より六度くらい下がってきた。
これだけの気温差があるのはもちろん高度差だけではない。
高度が100メートル上がれば0.6度下がるという算式に従えばせいぜい2、3度の差でしかないからだ。
理由は夕立。おりしも黒雲が前方から盆地にかけて広がっているなと思った途端バラバラと大粒の雨が窓を叩く。たたでさえ事故の多いことで知られる峠の下り道だけに、各車一様に速度を落とし慎重な運転に変わる。
何とか無事に盆地にたどり着いたが、ここも珍しく気温が下がっていた。夕立のあとの涼しさというのもなかなか感じられないでいたが、ようやくまともな夕立に出会えたような気がする。