無事終了

仲秋をまかり通るやカテーテル

仲秋の吾を貫くカテーテル

手術着は寒い。

貫頭衣みたいなもので、両脇をマジックテープで留めるだけの簡単服。検査・手術が終わっても管を入れた手首を固定するようなものを6時間くらい付けてなければならないので、着替えることもできないでベッドの中で布団をかぶっているしかない。
もうすぐ外しに来てくれるらしいが、早く来てくれないかなと待つばかりである。

検査の結果、処置が必要な箇所は当初見込みより少なく一カ所で終わったのは幸いだった。薬の点滴があと2日必要で退院は明後日土曜日になるという。

二上山を正面に

点滴の管つけたまま秋の雷

午後入院。

3時に風呂に入ったあと、4時から点滴が始まった。これは造影剤から腎臓を守るためだそうで明日もずっと続けるんだと。血液検査の針をさすのと違って点滴の針は太いせいか非常に痛い。麻痺してきたせいか痛みはだんだん薄れてきたがそれでもチクチクとしている。

今日は空の模様が大変不安定みたいで、当地は入院後しばらくしたら激しい風雨と雷。ラジルラジルというインターネットラジオを聞いているのだが、関西各地でいろいろ警報とか注意報とか、電車が止まっているだの、騒がしい日だ。南向きの部屋は二上山に面していて足元は大和川、眺めはなかなかのものだが、今は山は雨雲に覆われて全く見えない。

入院についてきてくれた家人もやることがないし、早めに帰ってもらったのがよかった。

前夜

その前夜地虫の声も聞かれずに

明日入院する。

検査入院という形だが実際には同時に不具合箇所の処置をするらしいので、手術入院と同じことだ。CT検査だと造影剤による腎臓への負担が大きすぎるという担当医の判断で、単刀直入のやり方のようだ。
姻戚に何度か同じ処置を受けている人もいて、特別大変でもなさそうだとは思っているのだが、蓋を開けてみてさあとなったらその時はその時。すべてをお医者に任せるしかない。

過去六十数年、一度も病院のベッドで過ごした経験がないので前夜の今晩になって箸箱をどうしようかとなって、いろいろ現実味を帯びてくると何だか少し心細い気がしてくる。

先ほどからまた雨がぱらぱら降ってきて、虫の声も気のせいか遠いようである。

想像を超えて

毎日のよふに竜巻秋出水

埼玉から千葉にかけて大きな竜巻の被害があったようだ。

あのあたりは昨年の竜巻の大きな爪痕もまだ記憶に新しい地域で、もしかしたら通り道になっているのかもしれない。この奈良でも2年前十津川村など100年に一度という大水害に見舞われたが、今年のニュースを見ていると「今までに経験したことがないような」雨や風や竜巻などが各地で頻発しており、新しい警報システムもすぐに見直しを迫られるのではないかとさえ思う。

自然の猛威は容赦なく,我々の経験や予想をはるかに超えて全てを粉々に破壊してしまう。心してかからねばならないのだろう。

あまちゃん

救われし者の悔恨震災忌

特集番組の多い日だった。

関東大震災の日だが、東日本大震災の被害はまたそれを上回るというか、福島第一原発の惨事も加わって日本人にとっては忘れてはならない出来事だ。まわりで次々に亡くなってゆく人を見ながら何も出来ない自分を責め、「なぜ自分だけが助かったのか」と今でも自分を責める人がいた。今も多くの人の心に大きな傷跡を残している大震災の教訓を忘れてはならないだろう。

評判の朝ドラも明日は3月11日のことを取り上げるという。なんともドラマティックな展開を見せる脚本であるが、果たして物語はどういうふうに語られていくのだろうか。

夏の名残

対岸の丘を地平に遠花火

午後7時30分、南の方向、おそらく香芝市あたりで花火が打ち上げられている。

大和川をはさんで直線で約3キロ、対岸の丘も大きな住宅地だが、今夜の花火はその高い丘を越えて丸い形がはっきり見えるくらい近い。土曜日、夏休み最後の週末と言うことで、名残の花火かもしれない。2,3分で終わってしまったが、最後の二発はとてつもなく大きなもので遠目にもとても立派に見えた。

コガネムシの害

移ろひて色づきはじむ葡萄かな

コガネムシの被害がひどいが、葡萄が色づき始めた。

この虫はよほど葡萄の類いが好きと見えて、同じ庭のなかでも他の木には手を付けないが片っ端から葉を食い尽くしてしまう。取っても取っても切りがないくらいイタチごっこで、一旦ねらわれたら最後諦めるしかない。
網の目だけになった葉はかいわいそうなくらい惨めだけど、直射日光にさらされた肝心の実の方はと言えば、たいして日焼けもしないで頑張っている。この分でいくとあと1か月もすればいい色に熟してくれるかもしれない。