目論見

一株が二株藷の試し掘

初めての種類なので出来が気になる。

「紅はるか」という甘くて柔らかめという品種である。干し藷に可能かどうか確かめるために植えてみたのだが、どうやら順調に育っているようだ。名前の通り肌がすべすべときれいな紅色である。この分では今月末頃にはまずまずの太さのものが期待できるだろう。
先日、渓山さんご夫妻が立ち寄られてやはり試し堀だという新種のお裾分けをいただいたのが、熟成の時間をたっぷりかけているのでそろそろ食べ頃ではないかと思う。
我が家では、サツマイモを蒸かす、焼くということがまずなくて、まずは天麩羅である。つぎに藷けんぴ、煮物となる。今度はこれに干し藷を追加しようという目論見だがはたして。

まだら模様

コンバイン田を掛け持ちて豊の秋

平群谷が動き出した。

生駒市との境界に近い、標高の高いところから稲刈りが始まり、裾野へかけて広がってきている。
地形からいってそれぞれの田はそれほどの大きさはないため、俯瞰するとまだら模様が目立つがそれもまた美しい景色であろう。

ディスタンス

犬走り越すをはばかる草じらみ

隣地から盗人萩が侵入している。

うっかり知らずに通ったら、種がシャツにこびりついて簡単に剥がせないのには往生した。
この三角形をした種は在来のものとは比べものにならないくらいほど粘着力が強く、シャツはおろか髪の毛でもなんでもへばりついて簡単には取れない困りものだ。
雑草だけではなく、庭木もおおきく被さったままで強い風が吹くと壁をざらざらなでるので始末に負えない。たとえ侵入物でも勝手に他人の枝を伐ることもできず、相手の良識を待つだけだが十年経っても何ら変化はない。
菜園の境界地など共用部分とするべきところまで畝高く盛られたり、隣との距離を計り保つというのは難しいものである。

里の秋

鵙巡り大和平群の畑日和

穏やかに鵙が鳴いている。

聞くとはなしに耳に届いてきて平群の里はのどかである。テリトリーを侵すライバルが現れないようで、周期的にテリトリーを巡視する声も急を告げるものではない。
まさに里の秋の真っ只中の平群である。

三等国

冷ややかに傀儡てふ文字おぼへけり

テレビや新聞は政治ショーばかりの9月だった。

10月に入ってもそれは変わらず、むしろ新政権の骨格が過去9年間と変わらないのが明らかになるにつれ絶望感に打ちのめされるのみである。
コロナ対策も、環境政策も、格差是正もなにもかも立ち後れて、三等国へまっしぐら進んでゆく。
子供たちや孫たちの世がこれ以上悲惨なことにならないよう祈るばかりである。

婚約

爽やかな菊のお家の慶事かな

いろいろあったが、ともかく初心を貫いたことを喜びたい。

NYでの暮らしがお二人の心の安寧につながるように祈りたい。

然は然りながら

自然保護言ひしが畑の菜虫とる

アブラナ系の苗が息も絶え絶えである

大根、小松菜、芥子菜、チンゲンサイ、白菜等々植えたり蒔いたり。芽が出たものは芽を、植えたものの葉を、得体の知れない小さくて黒い虫が食い荒らしているのである。調べると大根サルハ虫というやつだそうだが、こいつはふだん地中深くにいるが、年に2,3度地上に出て好物のアブラナ系の葉を食い荒らすのである。
これは、出ない畑には全く出ず、出るところには手のつけられないほど出るらしいのである。
決め手となる対策もなく、見つけたら獲るしかないのであるが、獲るそばから沸いてきて手がつけられない。
今まで庭とかプランターで大根栽培を楽しんできたが、こんなことはかつて一度もなく、うまい間引き菜を期待していただけにがっかりである。
キャベツ、ブロッコリーにはおそれていた青虫がついてきたので、虫を敵としないと言いながら、然は然りながら、ひとつづつとっては踏んづけるのであった。
さいわい春菊、レタスなどは無事なのがさいわいだが、今日は小松菜のあったところに菠薐草の種を蒔いてきた。