納涼

夏山へゴンドラ運ぶ十五分

猛暑の下界から一気に気温が下がる。

日によっては寒いくらいに感じるときもある。
帰省の途中に立ち寄ってみたが、終点は一面ガスってとても長くはいられないほどガタガタ震えたことがある。山を侮るなかれ。
この時期御在所岳のロープウェイはなかなかの納涼ポイントである。

葡萄の産地

雨除の棚に新種の青葡萄

信貴山麓に葡萄畑がひろがる。

市民菜園からも近い。
ビニールで覆われた棚で大事に大事に育てられている。
山の反対側、八尾から羽曳野にかけての山裾も古くから葡萄の産地。
気候が合っているのか、土壌がいいのか。毎年異常なほど暑い地域でこれからもやっていけるのだろうか心配になる。

触角

落枝の下手人なるべし天牛

お気に入りの紅葉の枝が落ちている。

木を見るとしっかり髪切虫がへばりついている。葉を食べるどころか枝だって囓ってしまうようだ。
「天牛」と書いて髪切虫と読む。長い触角を牛の角にみたてた漢語である。
そう簡単には見かけない虫だけど、どういうわけか我が家ではちょいちょいと見かける。
噛まれないよう気をつけみごとな模様をしばしみとれながら、そっと戻してやった。

見苦し

足指で入るるに馴れし扇風機

ものぐさである。

足の親指でスウィッチオンオフ。
家の中だからとこんなことをしていたら、いつかどこかでうっかりやってしまうかも。
腰をかがめるのもおっくうになってきたとか、言い訳も聞き苦しい。

冷涼

いきなりの雷にうぐひす急調子

早朝の雷雨に目が覚めた。

大阪の観測では3時間の間におよそ1100回の落雷があったとか。
日中は涼しい空気に満たされて、まるで昔の旧盆の頃のようにはっきりと感じ取れる初秋の雰囲気。
梅雨明けが宣言される前のこの冷涼な朝は、何十年に一回という寒気がもたらしたものだという。いやはや、年がら年中異常づくめの気候である。
午後の昼寝を破ったのは雷雨だった。夕立というべきか。いきなり頭上でどかんと鳴って、猫どもはうろうろするばかり。
いつもは静かに啼いている鶯の声も急調子となった。

七つ道具

棟上の材山と積む日の盛り

隣地に吉野材を使った家が建つという。

週末が上棟式になるとの工事告知を聞いた。
今日はその構造材が運び込まれて、どれも立派な木材である。梁材などもいかにも丈夫そうである。
工場であらかじめ加工しているので、カンナ、鋸、鑿に代表される大工さんの七つ道具もあまり見られなくなった。墨壷などはさらに遠い昔の話になる。
祖父が大工だったので、現場で墨をつけ鑿でほぞを作ったり、カンナ台が床にどでんと座っていた時代が懐かしい。

7坪

梅雨の泥束子で落とす長靴かな

このところ雨が多いので毎日長靴で畑通い。

車のトランクも泥だらけ。いつか洗わなきゃと思いつつ、天気の悪さや暑さを言い訳に引き延ばしている。
だがゴム長は、毎朝外栓で猫のトイレを洗うので玄関に置くには都合が悪いのでしょっちゅう洗う羽目になる。
束子でごしごし、その後干してすっきりと。さあ、明日も頼むよと。

このほど追加で7坪ほど借りられたので、寸法など測りに。5メートル四方の使いやすい土地である。
夏野菜は一か月出遅れたので秋冬野菜が間に合いそうもなくどうしようかと案じていたが、これで葉ものなどいろいろチャレンジできそうである。まずはニンジンからになろうか。