往診の看護師つれず路地薄暑
当地は午後休診というクリニックが多い。
午後は夕方5時からというような具合である。
何故なのかなとは思っていたが深く気にもとめずにいたが、たまたまかかりつけ医と街なかの路地でパッタリ遭ってその理由が分かった。
挨拶もそこそこに彼はある家の門をくぐっていった。彼の家のあるところではないようだ。
どうやら、訪問医としての往診のようであった。それこそ、手ぶらで、おそらくポケットには聴診器くらい入っているだろうが、ぶらりと門のなかへ消えてゆくのだった。急を要するという風でもなく、住宅は新しくもないが立派なお屋敷のようであるし、高齢の方の在宅治療のいつもの訪問であろうかとは推測できるのである。
今日あたり空気が入れ替わったようにからりとした青葉風が吹く日である。