予測不可能

警報のスマホうごめく梅雨の闇

当地のピークは過ぎたようである。

一昨日の夜から昨夜にかけて、携帯が何度も鳴る。
大雨、洪水による避難情報の受信である。
深夜警報音に目が覚めて、携帯を手に取るが、いきなり明るい画面を見ても寝ぼけ眼には文字がかすんでとても読み取ることができない。ここでも視力が落ちたもんだと実感するが、もっと差し迫った状況ならば火事場のなんとやらで読むことができるのだろうか。そう考えるとちょっと不安にもなってくる。
どこにどんな災害が起きるか予想もつかない時代、非常持ち出しの点検でもしておいたほうがよさそうである。

有線放送

鮎の苔また攫はるる梅雨出水

大和川がまたあふれそうである。

こんな日に出歩きたくないが、医院への送迎で川に沿った国道を走らざるをえないのである。
いつもは低くゆったりと流れている川が、恐ろしいほどの高さに泥流がさかまいている。
国道沿いの店などは、入り口に土嚢を用意しているのなどは、いくども洪水に泣かされてきた知恵でもあろうか。
昨夜は街の有線で避難勧告の放送が何度か流れ、そのたびに目が覚めた。
ここは、川からは遠く水害の恐れは全くないのであるが、川に近く住む人たちの不安は想像にあまりある。

先日、苔の順調な生育を願う鮎師のことを書いたが、吉野川もまたいつもの清流が濁流に変わり果てているのだろう。

吸着盤

引きはがすやうに椅子引く梅雨湿り

湿度80%超。

猫のトイレの砂も心なしか湿っぽい。
何十年来とつきあってきた古ぼけた食堂の椅子の、まるで吸着盤のように床にぺったり張り付くようになる癖も知り尽くしているが、まずは、上へ持ち上げるようにして引きはがすのがコツだ。

勇み足

蛇口能く水あふれしめ戻り梅雨

明らかに勇み足であろう。

関東が梅雨明けするのなら、近畿だってそれより早く梅雨明け同然だったのだ。
案の定、今週は前線が全国を縦断し、各地で送り梅雨の様相を呈している。
あまりに早い梅雨明けに水の心配をされていた人は多いだろうが、いくらかは緩和されるかもしれない。
散水するにも遠慮気味に控えていた水も、今日は思い切り蛇口を捻ったことであろう。

アイドリングストップ

発車待つバスの冷房ありがたく

今日のキーワードは「冷房」。

もう冷房なしではいられない猛暑だ。
幹事役と言うこともあって、いつもなら車で行くところを私鉄、バスを乗り継いで、わずか500メートルを歩くにも汗しとど。
炎天にバスを待つ間にも汗が流れ落ちる。
昨今はアイドリングストップ励行する会社が多いなかで、始発バスが早めに来てくれたうえ、アイドリングストップもせずにクーラーを効かせてくれたのは会社の配慮かも知れない。運転手の健康もあるから、たとえば気温30度以上なら規定外とかあるのかも。

もうひとつのキーワードは「扇子」だ。
若い人たちは使わないようだが、熟年以上には必須アイテム。あちこちで大活躍してもらった。

同志

やり過ごす軒なき街の夕立かな

久しぶりに夕立らしい夕立に遭った。

だが、新興団地では雨宿りしたくても軒を貸してくれるような家はない。
道路とは門や塀、生け垣でへだてられ、ちょいの間だけ軒先借り受けるというわけにはいかないからだ。
市街地でも土地いっぱいに家を建てたりして、なかなか軒のある家というのは少なくなった。
ひとつの軒で数人がひととき同志でいられる、あの昔ながらの「雨宿り」というものは、もはや死語に近い言葉かも知れない。

それにしても、今日の夕立は短かすぎて、その後いちだんと蒸し暑さがましたようである。

七月

穴ひとつ空いて虫食う茄子かな

茄子が毎日のように収穫できている。

ただ、葉擦れで傷ついたり、虫が食ったりで、店先に並ぶようなきれいな茄子はなかなか難しい。
ましてここ数日は暑さのせいで値が弱ったのかどうか、新しい花をつけないようだ。
秋茄子に切り替えるかどうか、それにはちょっと早いような気もするが、関東の梅雨明けだって異例の早さだ。残念なことだ。