寒卵のぶっかけ飯

竹爆ぜて遠赤外線とふ焚火

竹炭を作るイベントに参加した。

県内には里山の耕作地が放置されて、林藪に覆われてしまったエリアが多くある。
そこで、管理を委嘱されたかたが竹林の整備を兼ねて、伐り出した竹でもってそれを炭にすることによって炭素を固定化する試みである。
無煙炭化器という、ステンレスでできた擂り鉢の底が抜けたような形をしたものに適当な長さに切った竹や木を放り込むと、鉢の中へ向かう対流が生まれ中心部が高温かつ酸欠状態になって炭化する仕組みである。
このたっぷり溜まった炭化物が放つ遠赤外線は強烈で、炎の高さに比べると比較にならない暖かさ。
ときどき雪が舞う中を寒さ知らずで終えることができた。
出来上がった竹炭は細かく砕いて畑の土にまぜると、炭の細かい穴が土壌菌の住処になったり、土壌の浄化にもなるらしい。幾ばくかをお裾分けいただいて試してみようと思う。
イベントでいただいたかまど炊きの熱々ご飯に平飼いのニワトリが生んだ文字通りの寒卵のぶっかけ。そのうまかったこと。
真冬のキャンプファイアも悪くない。

南岸低気圧

音たててスープをすする寒さかな

半日雪だった。

気温も上がらない。2度。
朝も昼もほとんど差がない寒さである。
ただ雪と言っても南岸低気圧特有のいかにも重そうな牡丹雪で、アスファルトの上に落ちたらたちまちかき消えてしまう類いである。
今夜からまた降るそうだが、これは大陸から吹きさらしてくる風によるものだから積もるかもしれない。
明日は朝早くから外出の予定があるので気がかりでならない。

ヘルスロード

寒風に爪突きだしてユンボかな

とうとう昼の室温が12度になった。

外は冷たい風。
ただ天気がいいので何日かぶりで外を歩いた。山からおろす寒風に圧されながら一歩ずつ坂を登る。10分も歩くと血流も上がって寒さは苦にならなくなる。といっても耳たぶは痛いほどだが。
いつもの散歩道に新しく公園ができるらしく建設機械が入って整地している。ここは夏には向日葵が一面を覆っていた場所で近くの住宅街の人たちがよく利用する道だ。公園の予定名は「ヘルスロード公園」。小学校に面する通り沿いだが、まるで高齢者を対象とした公園のように思える。
完成はこの五月らしい。
さて、どんな公園が出現するか。

室内13度

唐辛子塗りたくられておでん種

おでんの出汁の匂いが部屋に立ちこめてきた。

室内温度は外より10度ほど高い13度と今冬一番の寒さにうかうか昼寝もしてられない。
そこへ熱いおでんだからこれはおおいに助かる。
おでんだけでも十分体が暖まるものだが、今日は自然といつもよりも使う唐辛子が多い。
食べたあと体がかあーっと熱くなってきたのは当然である。

温食

居着きたる猫につかはす湯婆たんぽかな

降る降ると言うが当地は今のところ全く平穏。

奈良市、いわゆる盆地北部などは横殴りの雪の映像が流れているようだが、ここはさいわい信貴山に連なる生駒山地に遮られているせいかもしれない。
ただ、明日は間違いなく零下何度かの厳しい朝になりそうなので、みぃーちゃんハウスに湯湯婆を差し入れてみた。
ただ低温やけどがあってはいけないので、きちんと水温計で測りながら44度くらいで。ハウスと言っても薄いビニール温室なのでどれだけ役立つかまったく全く見当がつかないが、無いよりはましかもしれない。
夕食はパウチごと温めて体の中から温まってくれればいいと。

アレルギー?

冬タイヤ去年の土つけ履きにけり

近畿中部で2〜4メートルの雪。

これが予報だが、仮にこの通りに降ると二、三日は雪が残るかも知れない。
そう思って急遽スタッドレスタイヤに交換することにした。
いつも一時間程度で終わる作業だが、これでも十分汗をかく。そのあとがいけなかったようで、やたら鼻水が出る。
汗のあと体を冷やしてしまったようで、そのあとのZOOM句会では十回以上ティッシュペーパーのお世話になってしまった。
さいわい夜は落ち着いていて、この分では風邪を引くこともなさそうである。
もしかしてあの鼻水は花粉アレルギーだったかもしれないなと思うのである。

晴っぷり

新月の底は銀とぞ霜の声

夜中に目覚めて外を見た。

月がない夜にもかかわらず、通りも町並みも街灯があるせいだろうかぼんやり浮かぶように輝いている。まるでいぶし銀の景である。
未明に向けて霜がいまだ太りつつあるのだろうか、不思議な世界に迷い込んだような感覚にとらわれる。
もしかして今年一番の霜の厚さになるかと思ったが、実際に目覚めると特別変わらない様子だった。
厳しい朝だったが、昼間は今日もまた大寒らしい晴っぷりである。