正装

荒梅雨に禰宜の木沓の濡れにけり

水たまりがあちこちにできている。

それでも雨は降りやまない。
昨日から設営されていたテントに最初にやって来たのは禰宜さんだった。
祭壇をしつらえ、幕に紙幣をとりつけたり、その間ずっと袴をはしょった雨靴姿。最後にようやく神主の装束をととのえゴム長が木沓となった。

大和路線

地祝の幕に五月雨降りやまず

明日の地鎮祭に向けて準備が整ったようだ。

かなりの雨に敷地のあちこちに水たまりができてなかなかひかない。
明日は先勝だから午前中を予定しているのだろう。残念ながら明日も夜になるまでは雨の予想で、大和路線がまた止まるような雨になるという。

巣立ち

溺れるあり踏まれるもあり子蟷螂

かまきりの赤ちゃんを見るようになった。

一センチあるかないか、色も目立たない薄茶色だが一人前に斧の構えを見せる。
顔を近づければ右に左に体を揺らせて抵抗の構え。昨年簾に何個か卵を産みつけてあったので、そこから次々に孵化しているのであろう。外水栓の内槽にいたので流されては可哀想だと指にのせて連れ出してやった。
巣立ち後世間の荒波にどれだけ生き残れるか、苛酷な運命が待っているだろうが初秋の頃には大きくなってまた会いたいものだ。

緑陰の風情

代表句吾もせんとてへちま蒔く

役場で種をもらってきた。

夏のあまりの暑さに一度挫折した経験があるのでいろいろ悩んだ末、町の「ふれあい農園」を申込することにして窓口に行ったらグリーンカーテンにする朝顔、糸瓜、苦瓜の種を呉れるという。苦瓜、朝顔はいいが糸瓜はどうすればいいのだろうか。緑陰の風情を楽しむ以外に糸瓜水?台所スポンジの代用?これくらいしか思いつかない。
いずれにしろもらってきたが、どこへ植えるか。また新たな悩みがふえた。

二桁

サイレンの湿りがちなる走り梅雨

それは12時間後に来た。

風呂でいつものように流していたときのことだ。注射した部位にタオルがあたると痛い。テープはまだ貼ったままだ。その後はさわらぬ神に祟りなしと触れぬようにようにはしていたが、蒲団に入りその腕を下に横向きになると痛い。とくに腫れているわけでもないのだが、少々気にかかる。
今朝もまだ痛さが残っている。体もこころなしかだるい。これを書いている夕方になっていくぶん治まってきたようだが、だるさは消えたが腕のほうは押さえてみるとまだ痛む。
二回目のほうが本格的にあるケースが多いということなので、もう少し反応が強く出なければいいがと願う。

今日の我が町の感染者数は10と二桁。こんな小さな町のことだから明らかにクラスターが発生したのだろう。大きな病院はないので老人福祉施設ではないかと疑う。そう言えば今日家の前の道路を何回も救急車が行き来していたのはそうなのかもしれない。坂の上に大きなホームがあるのだ。

我慢のしどころ

季節のもの仕舞残して梅雨に入る

梅雨に入る前に済ませておかねばならぬことは多い。

それがひと月近くも早く梅雨入り宣言があって、まさかの言葉が口をついて出る。近畿はおろか東海まで梅雨入りと聞いては、今年の夏はいったいどうなるのやらと不安になる。
早く開ければ長い暑さが思いやられるし、長引けば長引いたで作物の不作を憂う。
せっかく植えられた家庭菜園の夏野菜たちに、我慢のしどころだぞと声をかけたくなる。
先日蒔いた種が腐らねばいいが。
今日コロナワクチン接種一回目が無事終了。会場は拍子抜けするほどガラガラで、むしろスタッフの数のほうが多い印象だ。これから考えるに町に届いたワクチンの量は思った以上に少ないのではないか。
受付をはじめ、各ポイントごとに案内が立ち、接種の準備をする者、接種する人、完了のシールを貼る人、予後の様子、二回目の予約などなど運営するための要員が物々しいほどで、これで首都圏や大阪で一日一万人接種するなどいかに非現実的な数字か分かろうというもの。
もういい加減白旗をあげて五輪をあきらめ、コロナ対策に全リソースを注ぐことにしたらどうなのか。

新たな敵

黒南風や外敵見えぬ恐ろしさ

梅雨の足音が声高に近づいてきた。

中国四国までが梅雨入り宣言したとのニュース。平年よりはるかに早い。
近畿は来週いつ梅雨入りしてもおかしくない。
梅雨入り前にやっておきたいことは山ほどあるのに、明日のコロナワクチン接種一回目をひとまず乗り越えないと何も手に付かないでいたのでよけいに焦ってしまう。
ワクチンのほうは副作用の状況がだんだん分かってきて、二回目の接種のときはある程度のものは避けられないようなのも不安ではあるが。