断りて天下晴れての嚔かな
すれ違ひざまの嚔の漢かな
くしゃみして猫の不興を買ひにけり
くしゃみを怺えるのは難しい。
たまに、出そうでいて不発におわると周りのほっとした瞬間を感じるときもあれば、いきなり大きなくしゃみをして周りの顰蹙、不興を買うときもある。そういう場合はハンカチで抑えるとか、手で覆うというようないとまはまずなく、満員電車とか、喫茶店とか、閉所に人が詰まっているような場所なら間違いなく冷たい視線にさらされるし。
たしかに、逆の立場となってみれば、マスクくらいしてろよとか言いたくなるもの。
せめて、間が取れて周りに断ってからのくしゃみなら、後ろめたさも幾分はれて心置きなくぶっぱなすことができそうだ。
ただ、他人に向かっては間違ってもしてはいけないのは無論である。
先々代の猫は、家人の周波数の高そうなくしゃみが苦手で、必ず声をあげて抗議していたものだ。猫だって、耳障りになるようなくしゃみは苦手なのだ。