宵闇や霧雨煙る日に続き
朝から細かい霧雨が降り続いている。
お昼ごろ少しは日差しが出たが、再び雨が降り出して結局そのまま夜になってしまった。この時期はどんどん日が短くなるのにつれ夕時が寂しく思うことが多い。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
宵闇や霧雨煙る日に続き
朝から細かい霧雨が降り続いている。
お昼ごろ少しは日差しが出たが、再び雨が降り出して結局そのまま夜になってしまった。この時期はどんどん日が短くなるのにつれ夕時が寂しく思うことが多い。
最終の循環バスの秋思かな
乗客が少なく時間調整のためか、バスがゆっくり坂を上ってゆく。
後席の方に塊まって坐っている人たちは一様に前方をもの静かに見つめている。
秋雲の行方見てをる環状線
大阪梅田オフィス街に用があって出かけた。
途中環状線の車窓から櫛の形をした高い雲を見るともなしに眺めていたら、低空にいる浮き雲が空を飛ぶように流れてゆく。生駒の方へ向かっているようで、北西の風。もはや夏の空ではすっかりなくなっている。
後の月待たるる空の不順さよ
台風でとんでもない十五夜だった。
今日は台風一過、澄み渡るのかと思っていたらどんよりした曇りで夜になっても月は見えない。次は来月末の冴え冴えとした月を待つしかないのだろうか。
斑鳩の里を点描彼岸花
日々の戦いのなか、久しぶりに菜園のある斑鳩の里へ出てみた。
6月の後半に植えられた田も収穫時期が近づいたとみえ一様に色づき、あちこちの畦に群れ咲く曼珠沙華とは好コントラストをなしていた。この二ヶ月というもの、家から眺められる範囲の、狭い季節のなかを過ごしてきたので、久しぶりに外の空気を吸って多少なりとも心身がリセットされたような気分だ。
病床に秋の陽散らす障子かな
障子を透かせた明るい秋日が病人の部屋に広がっている。
障子、その和紙の効果だろうが、秋の陽はまだまだ強いがその直射日光をうまく分散してくれて、部屋全体を優しく包んでくれる。これがガラス越しだとこうはいかない。和のもたらす穏やかな空気感というものに日本人はどれだけ救われてきたことだろう。
病人も穏やかに眠っているので妨害しないようにそっとその場を離れた。
栗焼けるほどに香ぐわし麓かな
家の前の道を10分ほど上ってゆくと信貴山に至る。
途中の体験農場は地元では観光農場としても知られ大阪など他府県からの客も多いという。この時期はさつも芋掘りやら栗拾いなどが人気のようである。拾ったばかりの栗をその場で焼いて食う。そらぁ、うまいに決まってるがな。