ニョキニョキ

曼珠沙華手入れのわろき畝除き

畔の草が生い茂っていると曼珠沙華は顔を出さない。

草が刈られて日の光がさしてはじめて伸びてくるさだめである。
この時期草を刈ると一週間ほどすると突然ニョキニョキ伸びてくるのが面白い。
そのせいか今年病に伏しておられる田の畔はいっかな曼珠沙華が咲いてこないのは寂しいものである。
一日も早くお元気になられるよう願わずにはいられない。

遊ぶ

新涼や日曜版のクイズ解き

日曜の新聞を取り出した。

クイズのページが目当てである。
上級版数独は毎週チャレンジしているが、その他のクイズに挑むことはあまりしていない。
ただ、今朝は久しぶりの涼しい風を取り入れながら取りかかってみた。今まではちょっと面倒そうな感じだったので手を出したことがないのだが、トライしてみるとクロスワード的なものでもなく、ちょっと珍しい一筆書きの迷路を描くようなもので、これがなかなか面白い。
これからは数独に加えてこのタイプも日曜の楽しみに加えることにしよう。
家人は、同じパズルのページにある二つの絵を比べての間違い探しが好きなようである。これも最後のワンピースが見つからなくて四苦八苦する楽しみがある。
日曜の一息ついた時間に耽る遊びである。

腹いっぱい

腰曲がる爺にめぐみの稲穂かな

腰が曲がってもホンダカブで田に通ふ。

杖もなしに今なお元気に田仕事をこなしておられる。
そこの稲穂が近所では一番早く実を充実させてきた。逆に病に苦しんでおられて十分に手の入らない田は、雑草がはびこり、葉先も黄色く栄養失調気味でずいぶんと差がついてしまったようだ。
例年ならば、成長には大差ないのだが、それだけ手の入り方次第で稔りに大きな差が出るようである。
今日も午後に突然の激しい雨。大雨警報まで出た。
暑くて蒸す日々はあと一週間ほどはつづくらしい。秋らしい空気をむねいっぱい早く吸いたいものである。

梅雨に戻る

連日の秋とは言へぬ雨に飽き

今日も雨に行動を制限された。

句の題材を探すのにも飽きるほどだ。
今日の句は季題そのものが不鮮明となったのをお許しいただきたい。
毎日梅雨のような日がつづき、ほんとうの秋の雨が降るのはいつだろうか。

決断

秋の雷鴉の帰心矢のごとく

南のそらに休息に黒い雲が発達してきた。

すぐ近くに雷が走ったので撤収と決めたが、夕刻にはまだ時間があるというのに暗くなった空を見ると塒をめざす鴉の群があった。いつもの八幡さんの杜へ帰ると見えて一目散の様子である。
鴉など動物たちには人間も及ばない危険察知能力があると聞くが、まさにこうした行動が証明しているように思える。
帰り仕度をすませて自宅へ急げば、案の定大粒の雨が降り出して、あやうく全身濡れ鼠となるところであった。
鴉にしてみれば大事な羽根が濡れて羽繕いも大変だったことだろうが、一足早い決断によって濡れずに済んだことであろう。

夏秋同居

一口できれいに剥けた梨食らふ

皮も芯もきれいに処理された梨がデザートに出た。

料理もそうだが、作る手間は簡単だが食べるのは一瞬のことで終わる。
無雑作で食べてはときに少しは作った手間を惜しめとでも言うように叱られる。
感謝、感謝。感謝を忘れていては人と人との関係は保てないのは当然。夫婦となればなおさらそうだ。
梨の後は氷らせた小豆をのせたバニラアイス。
台風が過ぎてようやく涼しい朝となったが、日中はやはり30度越え。夏と秋の味覚がミックスされた午後のデザートである。

足が止まる

雨もろうてゑのころ草の尾の太さ
たたかれて雨にゑのころ首垂れ

とりあえず穂だけちぎっては投げ、ちげっては投げ。

ひと雨ごとにどんどん穂が大きくなって、はやく刈らないと種を飛ばされると思いつつもこの天気ではいつになるやら。
曇などはちょっとは暑さがましになってきたが、台風の余波の雨でタイミングを測っている毎日。
やることは山ほどあるのに、悪いことに台風の足が止まったようで明日で終わるという期待も吹き飛んだ。