検査入院

わがままは言えない秋の旅行とも

今日から二泊三日の予定で入院。

昨年のステント挿入手術の一年後点検というわけだが、念のために希望して受けるものなので比較的気楽に構えている。いわば、少々窮屈な秋の小旅行に行くというくらいの気持ちがないと気分も晴れないだろう。

院内はネット禁止ではないといってもiPadの閲覧中心だろうから、今日を含めて三日分は予約投稿となる。
予想外の事態がおきれば入院が長引くが、その場合はまたその時考えることにしよう。

人身御供

かまきりの身重の窓にかいつける

この2,3日大きなかまきり2匹がそれぞれ別のガラス窓にへばりついている。

まだ簾をかけたままのところに来てあまり動かない。台風が来そうだけどここなら安全だと思うのかどうか、あるいは両方とも大きなお腹をしているので産卵場所を探しているのかもしれない。
そうだとすると、あの大きなお腹の中には交尾した相手が胃袋におさまってるかもしれない。調べれば、かまきりの雌が交尾した雄を食べるというのは、じつは正確ではなくて、目の前に動くものがいるとこれを食するというのは習性らしいのだ。だから動かない虫の死体には目もくれず、たとえ交尾中でも視野に入ったものは攻撃するということだ。
相手となる雄は雌に比べて比較にならないくらい体も小さいし、目をつけられれば一巻の終わりなわけで、子孫を残すには我が身御供もやむを得ない心境でつっこむしかないというのも凄まじい話である。

人間でよかったとその幸運を喜ぶべきか。

蜜柑を盛る

青蜜柑でまわるころに逝きしこと

出回り始めの蜜柑の青いこと。

香りがよくて冬の甘い蜜柑より好きだというファンも多いだろうが、小さい頃から食べつけてないせいか自身はあまり美味しいとは思わない。
秋の遠足ないし運動会のおやつの定番だったようだが、貧乏だったうちではそんな時でさえ滅多に口にのぼるものではなかったからかもしれない。

数日前から仏前に盛られた青蜜柑をみながら、最後は蜜柑はおろか一滴の水さえ飲めないではかなくなってしまった人のことを思い出すのだった。

秋の女神

入れ替わり山車の練り来る秋祭
山車まわし鳶きびきびと秋祭

今日は龍田大社の秋祭り。

崇神天皇が飢饉と疫病退散を願って起こされた神社とされ、後に天武が風神として当社を、水神として砂かけ祭で知られる廣瀬神社をまつり、当社の摂社には秋の女神・龍田姫を祭神とする龍田比古龍田比売神社がある。

歌枕の竜田川をこの龍田とする説と、斑鳩町の竜田とする説があるが、地形的に神奈備御諸の山を裾に配して大和から難波への出入りとなる難所があり、都から見て最も奥まった位置にあるという意味で、個人的、感覚的には龍田姫のいますこの竜田と考える方が自然ではないかと思っている。
万葉集「呼子鳥」の歌で有名な「岩瀬の杜」も斑鳩町と争っているが、本意・本情から言えばやはりこちらではないだろうか。

山里めいて

群れの数耳でかぞへる小鳥かな

今日は四十雀だと思われる声がいちだんと大きく聞こえた。

いったい何羽くらいいるのだろう。かなりの数が庭に来ているのは間違いない。猫たちもみんな窓際に寄って、彼らの動きに合わせて目で追っている。しばらく騒がせて去ったようだが、これからの季節毎日のようにやってきては楽しませてくれるにちがいない。

鵙は相変わらずこの住宅地をテリトリーにしているようで、電線の上などで標を名告る声が高い。

三回忌

竜胆の紫苑はなやぐ忌日かな

13日が母の2年目の祥月命日、三回忌である。

お寺さんの都合もあるのですでに三回忌供養はすませた。
今回の仏壇の供花には竜胆が加わっている。毎日小菊などの仏花に見慣れているので、竜胆のような紫色が混じっているのはいつもよりはちょっと華やかだ。

秋出水

秋の川裏葉柳に濁りゐる

秋出水のあとのささ濁りだといっても吉野川の水色は美しい。

宮滝の流れ

澄んだときならきっとエメラルドグリーンに近いものなんだろうと想像するにかたくない色である。裏葉柳色と言うのだろうか、やや白く濁った草色、それが柳の葉裏の色だというのである。雨後の宮滝のたぎりがそういう色であった。
あと数日もすればまたもとの清流の色に回帰するのだろう。