山村の岩を堰とすプールかな
寒村の水場に遊ぶ子のなくて
吉野川源流・高見川のあたりに吟行した。
このあたりは東吉野村といって、かなり前から俳人・俳徒にとって聖地ともされる村である。村内のかしこに著名な俳人の句碑が建ち、多くの俳人が訪れる。そのなかでも、「天好園」という山の宿を知らぬものはもぐりだと言われるくらい有名な館で、ここで句会もよく開かれている。
属する結社でも昨年5月余花の頃にここで吟行句会が開かれ、ことしは万緑、というより晩夏の時期に訪れることになった。
山の奥で、清流は流れているし、蝉や虫の声、いろいろな草木もあるので四季折々に句材には尽きないものがありそうだ。
青芒活けて迎へる山の宿
青芒深山の客を迎へけり
かなり奥になるので大和盆地に比べ随分涼しい。昼頃には天気もずんずんよくなって青空が広がり流れる雲も高い。ここには一足早く秋がきているようだ。