懸崖の枝ともづなに浮巣かな
転害門をくぐって東大寺山門内に入る。
くぐると言っても、実際は門自体は通行不能なので脇を通るのだが、そのまま真っ直ぐ行けば正倉院敷地でその突き当たりを右に曲がると大仏池を経て東大寺大講堂の北西裏手に至る。
大仏池はかつては写真正面に見える大木の辺りまで広がっていたというが、水路から流れ込む土砂によってだんだん埋まってきて景観を損なっているので浚渫を検討しているという。
年々狭くなる一方の池ではあるが、鳰は変わらず巣を営んでいるようだ。写真をアップしてみてください。真ん中部分小さなシルエットですが、池に被さるように成長した大木の枝に舫うようにして巣を編んでいるのが見えると思います。鳰としてはなかなかうまく考えたもので、浮巣とは言うもののこれなら簡単に流されることはないだろう。
鹿の糞いよよ匂へる薄暑かな
奈良公園は日が昇り暑くなるとともに、鹿の糞の匂いが強くなってきた。まして雨後となればなおさらである。