四百枚書いて卒業許さるる
卒業式のシーズンである。
高校の卒業式は受験やら予備校受験やらで出席はできず、大学もまた不勉強がたたって必須科目一つの単位がとれるかどうか最後になってやっと紙一重の差で許された。ゼミの方はといえば、これまた内容の乏しさをボリュームで補おうと400枚も書いてやっと単位がもらえたのだった。
そんな状況を反映したのかどうか、卒業式が近づいても実家には案内も届かないというので、心配する母親が急遽上京してくるようなこともあった。
このシーズンが近づくと「卒業できないかも」という夢で目を覚ますようなことが幾度かあったが、さすがに最近はもう見ることはない。
季語「卒業」にまつわる思い出、言ってみれば学生時代の思い出はほろ苦いものがほとんどだが、句に詠もうと思えばいくらでも出てくるような気がする。