肝に銘ずる

子と言へど血の気引かるる蝮かな

忘れたころに遭遇するもののひとつに蝮がある。

草が生い茂っていたお隣の区画に鎌が入ったせいか、小さな赤褐色の蝮の子が這い出てきた。はじめはミミズでも掘り出したかという程度にしか思わなかったが、どうもどこかおかしい。
そう、頭があるのである。これは色、形からして蝮の子に違いないと気づいて思わず飛び上がってしまった。
敵も子供とは言え早足である。草むらにまたたく間にかき消えてしまった。
あらためて野良では長靴、長袖、そして手袋。たとえ暑くても肌をむきだしにしては危険と言うことを再認識した。先日もイタチを見かけたし、周りが田圃に囲まれていれば蛙やそれを捕食する鷺はもちろん、蛇だって潜んでいることを肝に銘ずるのであった。

セコハン

独りだけノンアル頼むビアホール

一口目はラガーもノンアルも差はない。

最近はもっぱらノンアルコールビール。喉ごし、味とも遜色ない。飲んだ後の暑苦しさはないし、このブログを綴るにも頭の状態もクリアである。家で飲むときは決まってノンアルコールビール。と言っても年に数回あるくらいだけど。
この空き缶を集めては菜園に持って行く。
土竜の通り道に杭に差した空き缶を立てておくと、風でこれがガラガラと鳴って視力は悪いが聴力がすぐれている土竜に効果があるらしいのである。
ほんとうかどうか知らないけど、周りの人がみなそうしているからとテストしているのだが、効果のほどはよく分からない。
また、昔からある漢方の胃腸薬を通り道に仕掛ければ一発で聞くと言う人もいて、菜園はいろんな情報の交換場ともなっている。
今日は焼酎と米酢、それに木酢液を加えた液を胡瓜などに散水。なんでも茎や葉を強くして病気予防にいいらしい。と、これも受け売り、セコハン情報。いいと聞いたら難でも試してみるのである。
ところで、ノンアルコールビールだが、これはカラオケなどで付き合うにはいい飲み物である。何ごとも車がないと動けない地方では必需品とも言える。

半世紀

父の日のことなく過ぎしいくそたび

先週日曜日が父の日。

毎年その日をどう過ごしたかは別として、はじめて人の父となってはや半世紀が過ぎた。
あと十年もすれば、その子も還暦を迎える。
50年とはなんとも気の遠くなるような日々だが、実際にはあっという間の50年だったような気もする。
いろんな山谷越えての今日。
おだやかに過ごせられる日々のありがたさ。

応援

扇風機風に貴賤はなかりけり

扇風機が心地いい風を送ってくれる。

梅雨の晴れ間は湿度もなく、わずかな風で人心地着くことができる。
扇風機のそよ風にさそわれて、ついうとうとと眠りに落ちそうになるのがちと難だが、それも悪くはない暮らしに馴れてくたびれたなと思ったら逆らわないのがいい。
ただ、昼寝は30分まで、それ以上寝ると睡眠リズムが狂うからと言うが、さいわい夜はすぐに寝られるたちときている。
起きては体を動かし、英語リスニングの学び直しに30分、そして疲れたら休む。眠くなったら寝る。
そんな毎日のリズムがすっかり染みついてきて、安物の扇風機がそれを応援してくれている。

一滴

舟形のカーブ嫋やかめろん掬ふ

毎年の頂き物のメロンが食べ頃となった。

夫婦二人で一度に一個は食べられないので、ひとり四分の一ずつくらいだろうか。家人がカーブした皮に沿って上手にカットを入れてくれるので食べやすい。
マンゴー、桃、葡萄、果物数あれど家庭のデザート果物としてはメロンが最高の贅沢品かもしれない。
一滴一滴雫をいとおしみながらゆっくり味わう午後となった。H君、いつもありがとう。

第二弾

瓜漬食む音に朝の来たりけり

今日の胡瓜はうまい。

どこの胡瓜だろうか。
菜園の胡瓜はぼちぼちと収穫が始まったが、気のせいか味がうすい。できるだけ胡瓜臭いものを食べたくて、昔ながらのものの種をまいたのだがやはり収穫初期の頃は味がのらないのだろう。
トマトにも同じようなことが言えるようである。トマトの味は秋にまさるものはない。甘さに旨さが加わってなんとも言えないあじである。露地栽培では仕舞梅雨に実が割れたり、暑い夏がきたら一気に終わってしまうところがあり、もったいない話しである。その後辛抱しながら栽培続けるといいのだが、秋冬野菜の植え付けもあってさっさと片付けられるのが素人菜園である。
胡瓜も実が生りだしたら終わりは早い。第二弾胡瓜の種をまこうと思う。

庭の守人

子蟷螂ほほに降る風のいたずら

生後2〜3週間くらいだろうか。

頬に草の葉でも触れたような気がして、肩に手をやるとそれは蟷螂の子だった。体長2センチほど。生まれたては1センチあるかないかぐらいなので冒頭の推量も大きくは外れていまい。
手にとるとじっとこちらをにらみ返してくる。
着地を失敗したくせに、人を恫喝するとはたいした度胸である。
今年も庭の守人として悪い虫をやっつけてくれるだろう。