二本植え

余り苗五枚朽ちたる畔の上

志を継いで無農薬の田の管理を引き受けたはいいが。

素人ゆえの悲しさか、おそらく農協から買ったものだろうが多くを余してしまって、捨苗にするにも多すぎる。
結局苗箱何枚もの苗が使われることなく干からびてしまったのをみるにも辛い。
田の隅の方がずいぶん無駄に空いてしまっていて、いかにも馴れない田植機を使ったことが知れる。普通ならば、このようなごく狭い田などは機械の入らないところは手植えで補うものであるが、それすらもされてない。
こんなに余すのなら、二本植えのところ三本植えにすればかなり無駄がなくなると思うのだが、これもまた無農薬ならではのこだわりがあるのだろうか。

手を休めず

しがみつく汗振りほどく暇もなく

ほんのわずかの梅雨の晴れ間を狙って肉体労働。

晴れてはいても梅雨独特の湿度があってなかなかにきつい。
腰を上げるまでは長いが、いったん上げるととことんやっておかないと次はいつになるか分からない。
いつの間にか玉の汗が吹き出していて、帽子から額に流れてくる。
こんな時はさらさらの汗になりがちなので決して不快ではないが、長く続けては危険だという声が聞こえてくる。
水分補給して小休止。予定通り終わるまで何とかがんばろう。

棄民政権

六月の水よく走る側溝に

遅れてきた分を取り返すように梅雨の雨がよく降る。

それも、かなり強い雨が。
今年は海水温が異常に高くなっていて、降れば豪雨、晴れれば高気温高多湿と大変厳しい夏になるようである。
この雨の降りようはまさにそれを証明しているようでもある。
この先どんな悲惨な災害があるやもしれず、災害に苦しむ民にこの上なく冷たい今の自公政権のもとでは悲観するしかないのが悲しい。

三割

漬けるほどなき梅の実の落ちにけり

春の剪定を忘れた梅が大茂りである。

冬から花がいっぱいつけただけに実の出来を心配していたが、葉をかき分けてさがせどもやはり全くの不作である。気温が低い時期に咲いたので虫も寄ってこず受粉もうまくいかなかったようである。
同じことは南高梅の産地・和歌山でも同じらしく、例年の三割の作にしかならないと聞く。
落ち梅もほとんど見当たらず淋しい梅雨の雨である。

洪水警報

遅れたる梅雨入ついりの雨の手荒なる

盆地中央部に洪水注意報がでるほどの雨だった。

大和川を通りがかったら、散歩用アンツーカーの赤茶が美しい河原にも水があふれている。
予想通り、今日梅雨入りした模様との発表。模様とは変な言い方だが場合によっては取り消しも含めた訂正があるということらしい。
いずれにしろ、明後日にはまた雨だというのだから遅まきの梅雨期に入ったと考えていいだろう。
土砂降りの雨も朝の十時ごろには小止みとなり、やがて真っ青な夏の青空が顔を出した。とたんに、気温がぐんぐん上がりだしてちょっと体を動かしただけでも汗がだらだら流れてくる。
梅雨入り即梅雨晴れ間という大変あわただしい一日である。

息止めて

まくなぎの径通らねば帰れない

めまといである。

河川の堤防や畦道などで、ごく小さな羽虫が蚊柱のように群れていて、しかも多くが目の高さに集まっているので迷惑なことこのうえない。へたすれば、目の中にも飛び込んできそうで、手で払おうとしてもなかなか散らすことも難しい。
結局、まくなぎ地獄から逃れるにはその場を少しでも早く立ち去ることしか方法がない。
歩いているときはいろいろかわしながら逃れることもできるが、これが自転車の時は悲惨である。片手しか使えない、しかも目の高さは一定だから厄介である。うっかりすると目どころか鼻や口にだって入りかねないので、息を止めて走り抜けるしかない。

焦り

信号を待つ間車を片陰に

夕方を待って一汗かく予定だった。

ところが午後五時を過ぎても風もなく蒸し暑さは変わらず、結局なにもする気がおきなかった。
後で午後当町に光化学スモッグ注意報が出されていたのを知った。
やはりやめておいて正解だったようである。あのまま無理して体を動かしたら熱中症で倒れていたかもしれないのだと。
午前中には庭の整理に汗を流し、午後に菜園仕事というのは歳のことも考えると無茶だったと言えるかも。
今日明日しか晴れの日はないというので少々焦っていたのかもしれない。
明日にも梅雨前線が北上してくるという。いよいよ梅雨入りが近い。