たじろぐ

青深み梳かねばならず梅若葉

夏日が続く。

桜に浮かれていたのは数日前のこと。
庭の木に弾みがついて梅も柿も若葉の候である。もはや春の季語などのんびりと詠んでる場合ではなさそうである。
とりわけ早梅の枝などは茂り出してきて、早く剪定してやらねば梅雨時には蒸れて虫が湧きそうである。
それにしても急な暑さに日中の外での作業にはたたじろんでしまう。

ヒートテック

軽暖の日陰に逃げて小事なす

「軽暖」。これより数日夏の季語の日が続くようである。

日向での作業は耐えがたく、ものの影によってようやく用が足せるような日であった。それでもものによっては日向でせねばならないこともあるのがきついことである。
終わってみれば、体力が落ちているとみえてめっきり体が重い。
考えてみればまだ冬服に近いものを着ているのも一因なのだが、朝方はまだまだひんやりしているので自然そうなってしまう。
明日はさすがにユニクロヒートテックは止めた方がよさそうだ。

思い出づくり

雨の日の記憶ばかりの春休み

雨の日がつづく。

しかも雨の日にかぎって寒く、春はいったいどこへ行ったのか。
卒業して新たなステップに弾みをつけたい人たち、進級して一年上級生になる人たちにとっては、短い春休みにどうやって過ごそうかとわくわくしていたろうが、出鼻をくじかれることになったはずである。
それはわれら高齢者とて同じこと。彼岸も過ぎて暖かくなったらやらねばならぬこと、やりたいことはいっぱいある。
今年卒業した大学生などはコロナ禍で入学以来しばらく校舎での授業も受けられれず、新しい友に出遭うこともなかっただけに最後の思い出づくりに影を落とさないことを願う。

困りもの

ナイターのハマには雨も来ないらし

雨に降られてずぶ濡れになった。

この前線が抜ければ秋の空気と聞いていたので、今日も雨とは何ともじれったいことか。
今日の夜辺りは関東に雨と聞いていたのに、テレビではナイター中継をやっている。いくら優秀なスーパーコンピューターでもなかなか予想は当たらないようである。
この夏ほとんど雨に恵まれなかった分を取り戻そうとするかのようによく降る。帳尻を会わせてくれるのもいいが、来るべき秋が来ないのも困りものである。

補)投稿して暫くしたら球場に雨が降り始めたようです。

暑い秋

県庁に鹿の宿れる白雨かな

ニュースで見た映像。

いつもながら交通の多い登大路を堂々と渡る奈良の鹿だが、観光客とともに県庁前の屋根付きバス停におとなしく夕立をやり過ごす姿に思わず笑ってしまった。鹿も豪雨は嫌いのようである。
今年はやたらに夏が長く、木陰や小さな流れに固まって涼を求めたり、人と違って自然物、人工物それぞれをうまく工夫して乗りきらなければならず鹿にとっても受難の年。
暑さ寒さも彼岸までとは言うが、ほんとうに彼岸で終わってくれるのだろうか。

不満

冷房につぶれし声の読経かな

冷房を使わなかった夜は二回ほど。

九月も半ばを過ぎて三十五度もあるような日がつづく。
寝室のある二階は昼間暖められるので夜に入っても三十度をくだらない。
もともとエアコンの空気は苦手で、目が覚めても喉の調子がでない質ときている。
冷房の季節の間は、どんだけがんばっても朝の勤行の調子が出なくなる。くぐもるような小声でしか唱えられないのがふまんである。

逢魔が時

暗転の空の点描蚊喰鳥

今年は蝙蝠をあまり見ない。

夕に靴の泥をおとしていると、見事な夕焼け。それが東の雲にも及んでいる。
みるみるにくれないが紫になり逢魔が時という頃、くっきりとした蝙蝠のシルエットを発見。今日はやたら高いところを跳んでいる。虫が高いところにいるんだろうか。
ということは明日も雨の心配はないと言うこと?