農作業始め

ワイパーのブレードびびり朝冱つる

明朝も底冷えの盆地になりそうである。

当地に来て放射冷却という言葉が日常のものとなり、天気図を見ただけでああ明日は冷えるなと分かるようになった。ただ、そんな日は昼間の気温が上がるのがお約束なので、晴れの日にやるべきことなどあらかじめ心構えとしてもつことが可能になる。
ということで、明日はじゃがいもの芽出しなど春の農作業の事始めにしようと思う。

新発見

割りてやる老々介護寒卵

納豆、生玉子を混ぜる。

家人の手術であらためて思ったのだが、利き手がきかないと不都合なものは多い。
なかでも包丁は危険がともなうのでなおさらである。
おかげで黄味が偏らないよう、ゆで玉子をうまく作れるようにはなった。ちょっとしたこつがあるのだった。
これからもまた新しい発見があるかもしれないと思うと、老々介護も苦にはなるまい。

空模様

車賃札で払うて雪の駅

それにしても雪の多い年のことよ。

二日に一回は降ってくるような頻度である。
もっとも当地では積もる雪ではない。ひとしきり降ってはやみ、また降ってはやみの繰り返しで、洗濯物などうっかり取り込むのを忘れるとそれなりの被害がある。
家人が毎日天気予報、空模様をしきりに気にしていた理由が、彼女の入院中にしみじみ分かるような気がした。
昨日の退院から家人の右手として包丁を握り、アッシーとしてスーパーにつきあい、それなりに忙しい日々が始まった。

止まらない

葉芽花芽おのがさだめの冬芽かな

寒の真っ只中、花木の芽がはっきりと形を顕してきた。

桜、梅、ブルーベリーなどしっかりと冬芽をつけて冬眠していたが、それらのうち花芽がひときわ鱗茎をあらわにして識別できるようになった。冬芽の転換である。
一定の寒さに合うと休眠が打破され、あとは開花や展葉に向けてまっすぐ進んでゆくだけ。
寒さに当たらないと花は咲かないのである。
これからの気温上昇によって開花時期が左右されるらしいが、もう動き出した芽は止まらない。

着々と

抜糸の日暦に書いて春を待つ

今日は大寒とか、一月のはじめに始まる寒の折り返し地点である。

節分、立春まであとしばらく。
家人が入院して今日で十日、明日退院との連絡があった。副え木みたいなものがとれるにはまだ3週間ほど先らしいが、術後の経過は良好のようである。そのあとはリハビリの通院となる。
待春にはちと早いが一つの山は越えたようだ。

再挑戦

パン焼器仕掛けてねまる炬燵かな

家人が作り置いてくれたパンもそろそろ底をついてきたようだ。

そこで久しぶりに食パン作りに挑戦。
分量などすっかり忘れているので説明書を見ながら調合。
スウィッチポンで4時間ほどまてばできあがり。
あとは寝て待つだけのはずだったが、なぜか膨らんでない。あちゃあ。
何が悪かったのか。首をひねるばかりだけで、明日もう一度挑戦してみよう。

保証

地震一報伝へるラジオ寒い朝

今日は神戸震災から27年目。

5000人以上もの貴重な命が奪われた。あの日は車通勤していてラジオから何か大変なことが関西で起きたらしいことを知ったが、詳細はなお数時間も伝わらなかった。だんだんと情報が入ってくるうち、これは容易ならざる事態だと知ったのだが、とりわけ地震後の火事の映像には声もなかった。
阪神淡路大震災といい東日本大震災といい、ふたつとも冬に起きた。電気も水道もガスもなく、トイレも無論風呂もない日が何日と続く日々の不安は恐怖に近いものがあろう。
昨日は夜中にスマホが災害警報何度も鳴ってはその都度起こされた。トンガ近海の噴火がよもやの津波となって日本にも届いたのだが、地球は生きている、昨日と同じ保証はどこにもないことをあらためて感じるのである。