腹式呼吸

湯冷してまでも食いゐる画面かな

うっかり何かに夢中になって、気がつくと悪寒がしたり。

くしゃみしてようやく我に返るような、そういうときは間違いなく湯冷めして足の先まで冷たくなっている。
さあ寝ようかという段になって、気になる報道特集などが始まるとつい画面の前に座り込んだり。
湯冷めしていったん冷えた体は、炬燵に足を突っ込んでもなかなか暖まらないものだ。蒲団に入ってもすぐには寝つかれないで、深呼吸など試みたりしてようやくいつの間にか眠りに落ちていることが多い。
何とか10時半までには寝ようと思うのだが、なんだかんだと11時を回ってしまう。風呂上がりから1時間以上経つと芯の部分まで冷えてしまうということを繰り返す毎日である。

資源回収協力

資源ゴミ回収の日の寒の雨

今月はゴミ収集所当番の月。

一般ゴミはいつもの時間に回収に来たが、PTA主導の資源ゴミ回収がなかなかやってこない。
雨に打たれたまま回収を待つ段ボール、新聞があわれだ。

研ぎ直し

剪定の鋏研いでる四温かな

昨日辺りから四温晴。

今日は晴れのうえに気温が上がって庭作業日である。
まずは切れ味が少し鈍いと感じる剪定鋏の研磨から。
研いではみたが、切れ味が変わったようには思えない。
やる気がでたらまた研ぎ直ししようと思う。

苦み走る

根回りにあたりをつけて寒肥す

寒さがゆるんだこの日国産菜種の油粕を買ってきた。

梅や姫沙羅などの庭木に寒肥を施すためである。
樹冠の先の下あたりに根の成長点があるから、そこに届くように幹を中心にして円を描くように輪状に油粕を撒くわけである。
軽く鍬で起こして撒いては均す。その繰り返しで大小何本もの木を終えると、さっそく鵙やんがやって来ては返された土の虫を探している。鵙はなかなかハンサムで、目に黒いラインが入って苦み走っている表情が何ともイケメン風である。
ジョー君も尻尾を上下させて餌を探すが、鵙はひとまわり大きくて一目で見分けがつく。
庭にはみぃーちゃんがいるので鵙が犠牲にならないよう、ごろごろ出てきたコガネムシの幼虫は遠くに避難させることも忘れてはいけない。

珍客

春近し子犬生まるる朝の夢

明日が大寒だそうである。

となると次の節季は立春。もうすぐ春である。折しも明日から寒さがゆるむという。三寒四温は始まっているのだ。
そう言えば、今朝の夢に、庭に小屋があってその覆いをとると何とお母さん犬と子犬が四匹でてきた夢を見た。
子犬はもう三四ヶ月くらいたってるようで、今まで気がつかなかったのがちょっと不思議。
外のも含めて五匹の猫を飼ってるし、どうしようかと悩んだがとにかくうちに来たのだから面倒は見なければ。そのうち貰い手が現れるかもしれないし。というところで目が覚めたような。

運がよかっただけ

疫病禍生きて一年日脚伸ぶ

去年の今頃から何となくざわめき始めて一年。

ひたすら人とも会わず家に籠もる、言ってみればすこぶる贅沢な身分であったが、おかげでさまで今のところいのちをつないでいる。
BS1やNHKスペシャルなどで、コロナ対策の医療現場の現状をみるにつけ、今重篤な病にかかったらそれはすぐに死につながりかねず、年齢を考えると今まで無事でこられたのは単に運がよかったと言っていい。
さらに一年くらい、無理しないで健康をたもち人に迷惑かけないようにしなければ。

末期の水

吸呑に命ふくませ寒の水

箱の名前を確かめたら「薬のませ器」とある。

何ともイケテない名だなと思ったので、ウェブをうろついたら「薬吞器」−>「吸呑」とヒットして、やはりいい名がついてたじゃないかと合点がいった。「すいのみ」は日本人の感性にはいちばんしっくりくる音。
動けない病人に薬の水を飲ませるには便利な例の器である。
母は秋に逝ったのであるが、食べ物も水も受け付けなくなった最期はこの吸呑で本人の気の済むまで水をふくませたものだ。
寒の水は混じりけなく体にいいと聞く。あの末期の水が寒の頃のものであったらもう少しは生きられたろうか。ふとそんな思いがよぎったのである。