籾殻を焼く影遠き秋の暮
煙が真っ直ぐに昇ってゆく。
籾殻をいぶす煙のようだ。
住宅地に隣接しているので風向きには注意しているらしいが、今日の午前はほぼ無風。50メートルほど立ちのぼってはわずかに折れて消えてゆく。
そう言えば、農協支所へ行って籾殻や籾殻燻炭などをもらってこなくてはならない時期である。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
籾殻を焼く影遠き秋の暮
煙が真っ直ぐに昇ってゆく。
籾殻をいぶす煙のようだ。
住宅地に隣接しているので風向きには注意しているらしいが、今日の午前はほぼ無風。50メートルほど立ちのぼってはわずかに折れて消えてゆく。
そう言えば、農協支所へ行って籾殻や籾殻燻炭などをもらってこなくてはならない時期である。
割石榴太き唇もて吸はん
ジョウビタキの顔を出す庭。
目立って大きな石榴の実がなっていたが、とうとう見事に割れて透明な真っ赤な実がはじけてる。さしてうまいものとは思わないが、これほど見事に割れていれば吸いつきたくなる。ただ可愛い小ぶりの口では難しいかもしれない。それほど大きな実なのである。
人間の食指がそそられるのだから、きっとこれを好物にする鳥もいるにちがいない。さしずめヒヨドリだろうか。そう言えば今年はまだヒヨの声を聞かない。
小鳥来て窓に呼び寄す伴侶かな
特徴のある声とまわりの空気をふるわすような尾羽の上下の音。
まさしくジョウビタキだ。
40年以上経過した古い住宅地の一画でここ二日連続で目撃した。
どうやらこの子は男の子。
しっとりした家には庭木も多いので各家を巡回しているのだろう。
我が家にも毎年来ていたが、隣の空き地に家が建ったので今年はどうだろうかとちょっぴり心配している。
来てくれたらそれはまたそれで心配だ。なにしろ庭にはみぃーちゃんが日向ぼっこしている。
護法鉢染めあげ信貴の山紅葉
ようやく目に見えて紅葉が始まった。
信貴山から平群の里へかけて山全体が雑木紅葉に染められて、これからしばらくさらに色を濃くして谷全体があかねに映えていくのだ。何の変哲もない雑木紅葉だが、山全体に濃淡なく広がるさまは見応えがある。家は信貴山を背にしているので外へ出て振り向かなければ見えない景だが、コロナ禍で籠もりがちであった暮らしにいい刺激となりそうである。
すすき野の一本道の救急車
背の高い芒が茂っている。
芒に遮られて姿は見えないが救急車の音だけが坂の下から上へ向かってゆく。私の住んでいる住宅地を離れれば人家もなく、行き当たりは信貴山でその先は大阪だから、たいして多く人は住んでない。
この先は大小の高齢者施設があって、多い日には一日四回も五回もサイレンを鳴らしてゆく。その半分はこうした施設のお年寄りの救急かも知れない。
死に票と知りつつ入るる暮の秋
奈良二区。
ネオナチ礼賛、先制攻撃能力保持と言って憚らないウルトラライトが最右翼。
比例復活の見込みもなく、何の楽しみもない選挙区だが、せめて比例区分は信ずる党に。
それにしても大阪の自民凋落は目も当てられない。連日イソジン顔がテレビに出るのにすっかり騙された人たちの多いこと。よく言う、「肉屋に並ぶ豚」である。自民にも相手にされない一発屋が手を上げるはずである。大山鳴動鼠一匹なら愛嬌だが大山鳴動たぬきぞろぞろはしゃれにもならない。
やる気かと三角野郎いぼむしり
あきが深まり心なしか虫が少なくなっている。
そうなると小さな虫を主食とするかまきりの店仕舞も近い。
今年はまだ産卵の跡を見ないが、我が家のすだれの裏で生まれた子供がまだ生きていれば近いうちにやって来るにちがいないと楽しみにしている。
わが菜園はビニールマルチをしないし、草も生やし放題なので狭いところに毎日見かけるようになった。この辺りでは最後の楽園となっているのかもしれない。
それにしても、三角頭の天辺についた二つの目でにらみ返すのは脅しているつもりだろうが、こちらにしてみれば可愛いやんちゃ坊主にすぎないのが可笑しい。