沈默

山眠る里によこたふ活断層

山紅葉が茶色に変わって平群谷はすっかり冬ざれてきた。

小菊の里でもあるが、その盛りも終わって畑も冬模様。
捨てられた田には2メートルほどのセイタカアワダチソウが茂り、それも冬に向けて枯れ始めたようである。
これを書いていて伊豆利島で強い地震があったようである。
当地も金剛山地沿い、盆地東側には大きな活断層があって奈良時代など過去にも大きな被害をもたらしている。そのほかにも中小の活断層が南北に走り、東西に伸び、意外に地震の巣窟の感がある。長い間沈默を続けており、いつ起きてもおかしくはない。

凍死寸前

大根の葉の凍りつく霜夜かな

季語オンパレードの句となった。

大根、凍る、霜夜。
どれも冬の季語だが、実際に今朝みた景色である。
葉が蝋を引いたように艶を帯びて、しかも生気がない。どうやら今朝は零下まで冷え込んだようで、凍死寸前である。
まだ太りが足りないので抜かないでおいたが、どうやら限界のようである。
ここまでやられてはこれ以上太ることはあるまい。抜く時期に来たようである。

北は大雪

北風に雲ちぎれゆく月明かり

一日中冷たい風。

夜になってもおさまらず、夜空を仰げば明るい雲がどんどん流されてゆく。
空気の透明度が増して雲までもが冷たそうに見える。
北の方では記録的な大雪だと聞くが、当地も明日はいちだんと冷えるそうである。
この時期風邪など引いてられないから気をつけなくては。

寂れた師走

逃げ場なき枯葉つむじの駐車場

風の強い一日であった。

更地になった一画を急ごしらえしたコイン駐車場を通りがかったら、一台も利用のないまま枯葉の吹き溜まりとなってそれを風が吹き上げている。
コロナの影響からか人の出入りも減って車の通りも心なしか減っているように思う。
がらがらの駐車場にからからと枯葉が乾いた音を聞くのは、どこかさびしい師走である。

用心

手袋をはめてごみ出す街の角

朝早くから鴉が集まっている。

どうやら生ゴミ収集があることを知っているようである。指定の場所に黄色の網が広げられるとやがて突くべき餌がやって来るのを知っているのだ。
人通りのあるところで、コンビニの弁当の殘りなどを置いて行く不届きな輩もいるようでそれを狙っているのだ。
今日はぐんと冷え込んだ朝で、ごみ出しにも手袋をしていった。
明日は寒気団が押し寄せ、吸い込まれるように列島を覆うとか。一気に寒波にさらされてしまうようである。用心、用心。

整形外科

肩凝りの腕の上がらぬ寒さかな

寒さが身にしむようになるとあちこちに痛みが走る。

とくに寒さでこわばった肩のこりがひどくて腕にまでしびれのような痛みが走る。
この腕のしびれというのは今年の初め頃からで、五十肩ならぬ七十肩の腕版みたいなものかもしれないがどうせ整形外科に行っても変わりはなさそうと放置したままである。
だいいち、この時期クリニックに行くのも恐いしね。

寝ぼけ眼

流星群見たし真夜の立ちんぼ寒し

明日未明が一分に一回くらい期待できる流星が降るという。

一度はみてみたいと思うものの、午前三時頃だと聞くと尻込みしてしまう。
遅くとも11時には就寝する癖のついた身には睡眠を中断してまで見たいとは思わないし、夏や秋ならばまだしも冬の未明となればたとえ一分でも立ちつくして空を仰ごうなんて気は起きないのである。
そう考えれば、夜の天気だって保証はないし、寝ぼけ眼でとらえられないこともあるわけで、ニュースを聞いて思いをはせるだけで十分ではないかと思えるのである。