水船の古りて神水澄めりけり
もっとも近い八幡さんへ参ると、いかにも古い水船がある。
刻印はかすれてよく読めないが、解説によると貞享2年(1685年)のものらしい。
いまでも現役で使われていて、水道水を落として使われている。
ここは宮座十人衆によって祭祀が執り行われているが、水の透明度からみて、毎日誰かがお詣りしているのは間違いない。
小さな本殿、神饌所、絵馬殿からなる小規模な八幡さんだが、寄進の玉垣などをみると近在の家々の名が多い。間もなく龍田大社の例大祭の日に合わせて近隣の神社からそれぞれ太鼓台が繰り出されるが、ここからも子供御輿とともに参加する。私らの新興宅地に越してきたものにはお声が掛からないが、住宅街に接した在の家を巡って曳いてゆくのは、太鼓の音の移動によってよく分かる。