夏痩の腕の血を吸ふ注射針
夏痩の静脈探るナースかな
健診を受けてきた。
体重計の針をみてびっくり。
何十年と変わらなかった体重が、思いもよらず急な減り方をしているのだ。そんなことなど何の自覚もなかったので、よけい動揺してしまった。とっさに浮かんだのが、不吉な予感で、かかりつけ医に相談すると、
「食欲もあるようだし、胸の音も全く問題ないし、見た目からして何も心配することはありませんよ」
「そんなに心配なら、血液は採取してありますから一応腫瘍マーカーの検査も追加してみましょう」
と、一笑に付された。
結果は明日にでも出ますので、もしもそうならすぐに連絡しますと言って返された。
それから3日ほどたつが、ドクターからは何の連絡もない。ただの夏痩せなんだろうけど、それにしても3キロ以上も痩せるというのは、熱中症寸前までいったことも考え合わせて、体力ががた落ちしているに違いない。老いるとは、体力のなだらかな衰退、衰弱を意味するのではなく急激に訪れるものらしい。