絶え絶えと虫の音細き後の月
到来の豆茹であがる十三夜
明日また洗濯日和十三夜
銀に甍かがよひ後の月
夜も引き続き快晴である。
明日もまた洗濯日和という。
十月はすっかり雨の日々だったが、11月に入った途端空の青が戻ってきた。
十三夜の月も冴え冴えと光りを放っている。ちょっと一枚羽織りたくなる夜である。急に冷え込みがきつくなったが、名残の虫も細々と聞こえてくる。
今年はひさしぶりに片見の月とならずにすんだ。とくに何を飾るわけでもなく、外へ出てしばし老眼の目をしばたたかせるだけなのだが。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
絶え絶えと虫の音細き後の月
到来の豆茹であがる十三夜
明日また洗濯日和十三夜
銀に甍かがよひ後の月
夜も引き続き快晴である。
明日もまた洗濯日和という。
十月はすっかり雨の日々だったが、11月に入った途端空の青が戻ってきた。
十三夜の月も冴え冴えと光りを放っている。ちょっと一枚羽織りたくなる夜である。急に冷え込みがきつくなったが、名残の虫も細々と聞こえてくる。
今年はひさしぶりに片見の月とならずにすんだ。とくに何を飾るわけでもなく、外へ出てしばし老眼の目をしばたたかせるだけなのだが。
被覆せる畝に生まれし秋の蝶
虫除けネットの中で蝶がもがいている。
どうやら、大根のプランターのなかで蝶が羽化したらしい。
先週に続きこれで二度目だ。
虫除けと霜除けをかねてネットをかぶせているが、いつの間にか青虫が発生、さなぎ化して孵ったらしい。
いくらか葉っぱが食われているのは、きっとその青虫だったのだろう。
ネットを外してやったら、元気よく飛び立っていった。
葉っぱの被害はたいしたものではないが、まだしばらくはこういうことはあるかもしれない。
それにしても、いったいどうやって侵入したんだろうか。もっとも考えられるのは、ネット越しに卵を産みつけ、それが羽化したということである。そこに柔らかくてうまそうな葉っぱがあるもんだから、格好のゆりかごである。
到来の枝豆生りし土思ふ
それは見事な豆だった。
味が濃厚である。
それに、粒が大きい。これは、ただの丹波ではないのではないか。
こんなうまいものが、ただ塩茹でするだけのレシピでいただけるとは、素材自体がよほどいいにちがいない。
豆類は概して、肥料は少なくていい。とくに枝豆はほとんどやらなくていいと聞くが、それも土壌がいいという前提である。
暑さ、寒さにまけず堆肥を施したり、土の手入れを怠らない不断の努力のたまものだろう。
そのままいただいたり、サラダに入れたり、グラタンに混ぜるなど、いろいろな食べ方を楽しませてもらった。
畑の主は、拙ブログにもコメントをいただいている渓山さんである。
ごちそうさまでした。
夕映えて軒にからびる唐辛子
しまい込むのをすっかり忘れていた。
秋口に唐辛子の一株が実をびっしりとつけたので、軒に吊しておいたのだった。
一か月以上も干すと、実はもちろん、枝も葉っぱもすっかり干からびて、ふればがさがさと音がする。
実は手で簡単に千切れるかと思ったけれど、意外にしっかりしていて鋏で一つ一つ離すという面倒な作業に没頭した。
聞けば、一昨年のがまだいっぱい残っているらしく、わざわざ手間暇かけて作るほどでもなかったのだが。
なぜこんなものを作るかというと、料理番組を見ていると、油にニンニクの刻みなどを炒めて料理のベースを作っているとき、タカノツメというのだろうか、あの真っ赤なものが簡単に作れそうに思ったからだ。
あのツンとした香り、辛みが味を引き締めてくれるからとくに中華系では必須で、ときに知らずにいっしょに食べてしまう失敗もあるが、和製調理料としては胡椒をしのいで最右翼。もっとも「唐」とあるので、おそらくどこかの時代に外からもたらされたものには違いなかろうが。
今夜は、辛子のきいた麻婆豆腐でも食いたいところである。
閑話休題。
麻婆豆腐の「麻婆」とは「あばたのおかみさん」という意味だそうである。清の時代に、油商の未亡人がありあわせの豆腐と羊肉を辛い味付けで料理したのが味がよく、これを売ったところ評判になって「麻婆豆腐」と言われたとか。
みちのくの林檎ひだりに黄金みぎ
みちのくの朱より紅き林檎かな
鳴子から峠を下って横手盆地に入った途端目を瞠った。
国道の右半分が黄金の波、左半分が林檎園である。
頃は9月の末だったか、刈り入れを待つばかりに首を垂れた稲穂が光り、誰も人の手の触れられてない林檎は黒を帯びた赤色をしている。国道は街中を抜けないから、そんな状態が延々と続く。
豊かな国だと思った。銘柄米「あきたこまち」の産地だから当たり前だといえば当たり前だが。黒光りしていた林檎の種類は何だったんだろうか。
視野いっぱいに黄色と赤の景色がひろがる、豊の羽後はいまでも鮮やかに思い出すことができる。
事務職の土嚢詰めもし台風来
台風第二陣。
今度は風はそれほどでもないが、雨の被害が心配されるという。
21号の被害がまだいやされないうえ、町内はたっぷりと水を含んで地盤がゆるくなっているので、町は対策に余念がない。
明日から予想される雨に備えて、役場では真新しい作業服の事務職が土嚢をせっせと作っていた。
電車を止めた住宅地の崖崩れで地盤をえぐられた住宅八軒はつっかえ棒でかろうじて崩壊を免れていて、使用禁止の貼り紙。
このような災害被害が各地でくりかえされるのは、いままでになく多く、明日はわが身を肝に銘じなければ。
田一枚刈り残さるる長雨かな
長雨がようやく途切れて快晴。
盆地の稲刈りも終わったかなと見回してみると、まだところどころ残っている田がある。
10月も終わりというのにまだ終わらないというのは、ここんところの長雨でタイミングを失したのかもしれない。
週末は台風の影響も出そうなので、はらはらしながら行方を見守っておられるだろう。