峰雲の群像かなた副都心
峰雲の都心に吸はれゆく電車
雲の峰都心は今日も人熱れ
峰雲の頭流れて一ㇳ日果つ
関東平野はいつもどこかに入道雲がわいている。
広い平野だから、どこに湧いても遠くからでも見えるのだが、北から見れば南に、東から見れば西に、西から見れば東に多い。つまり都心の上には毎日のように入道雲がかかるようだ。
入道雲が進むと積乱雲になり、いま問題のゲリラ豪雨をもたらすわけだから、ヒートアイランドの熱が片寄せされる練馬とか川越とか、都心と埼玉の背骨を結ぶ線には頻度が高いのかもしれない。
遠くから見るぶんには入道雲は勇ましくていいが、その直下となると頭上に入道雲がかかっているなんて想像もできないし、それよりも雷さまがゴロゴロ鳴っているかもしれない。
山に囲まれている奈良盆地は見通しが限られることもあって、スケールにおいて劣るものがあり、やはり入道雲は広い大地にこそ似合うような気がする。関東平野の入道雲が懐かしい。