腐葉土にものの芽出づる林かな
ものの芽の雑木林のしのぎかな
「ものの芽」とはいかにも俳句に似つかわしい言葉である。
草の芽でもなく、木の芽でもない。それらすべてを総称して、春に萌え出るものを言う。
何の芽と言わぬところに俳味が生まれる。
今日は、こんなものの芽もあるという写真を付けた。団栗の発芽である。殻を割った芽は、まずは土にさし込んで踏ん張る足場を確保するようである。芽と言うよりは、根と言うべきか。
昨秋落ちた実がいっぱい転がっていて、それぞれが競うように発芽している。どれも成長するという保証はないが精一杯命を尽くしているのだと思うといじらしくなってくる。