暴れ梅雨

島ぐるみ川となりたる男梅雨

八丈島よりさらに南方の孤島に時間あたり80ミリ超の雨量があった。

もともと島全体がカルデラで、急な川筋が何本も走っているが、届いた映像では至る所で滝のように水が走っているのが確認できる。
九州では時間150ミリという想像も出来ない雨が降ったとか。
男梅雨などと粋がってはとてもいられない、命に関わる梅雨である。

これといって

父の日の父の子古稀になりにけり
父の日やいつしか父に長らへる

一昨日は父の日だった。

どうも父の日は影が薄くて、自分も父には特に何もお祝いした覚えはない。
特に、父と息子とはもともと通い合わせる会話も少ないし、高度成長期の子は成人すると家を離れることが多いのでますます会話は少なくなった。父は比較的早く亡くなったので、大人同士の会話の記憶はわずかしかない。

かくして親の因果が子に報い、ではないが、いつものことながら「父の日」と言っても普通の日と全く変わらない一日で終わるのだ。

適量

雨乞ふは汝のみにあらず雨蛙

夜になっても蛙の声が聞こえてくる。

近くの田圃からのようである。
そのせいだろうか、ここ数日雨のよく降ることと言ったら。梅雨本番というところか。
田植えが終わってたっぷりの水が欲しい田圃にとっても、雨は望むところ。
首都の水瓶も雨が欲しいだろうし、出水の被害が出るような雨は困るが、欲しいところに欲しい量だけ降るのが理想だろう。

宗旨替え

二の腕の包みやうなく五月晴
梅雨晴やマーズムーンのランデブー
梅雨晴の月にかかりし大火星

頭上のオゾンホールが消えかかってるのではないのか。

そんなことすら思い浮かぶような日差しの強さである。
一年で最も紫外線の強い時期にはちがいないので、当たり前かも知れないが、それにしても度が過ぎているのではないか。
Tシャツ一枚で過ごせる季節だが、紫外線、赤外線は生地を貫いて肌を焼いているようで、先日などは10分ほど直射日光の下で動かずにいたら、その日の風呂ではタオルが肌にいたかった。

Tシャツは綿でと決めていたが、この分なら合繊でも何でもUV仕様なら良しとしなければならない。
火星が大接近とか。南に月がかかると、火星と並ぶ様子がよく見える。

甘い香り

漬ける気のなき梅の実の落ちゐたる

気がつけば根元にいくつも梅の実が落ちている。

今年はいつもより剪定がうまくいったのか、花もたくさん咲いて、実もいっぱいつけていた。
当初は、もし梅干しとか梅ジュースに使うほどの量が期待できるなら頑張ってみようかなと思っていたが、葉が茂るとともに梅の実が隠れてしまい、すっかりそのことを忘れていたのだった。

五、六個ほどをもいで台所に置いておいたら、二日、三日とたつうちに甘い香りがどんどん増してきて、あらためて梅とは酸っぱいのではなく甘いということを知った。
次はもう少し剪定をうまくすれば、一瓶に足りる程度は採れるかも知れない。

雨の功罪

梅雨深し外装工事さらに伸び
リフォームのネットうたてき梅雨曇

今年はよく降る梅雨に当たっているのだろう。

しかも、降るか晴れるかが割合にはっきりとして、降ったり止んだりのいつもの梅雨空とは少し違うようだ。
今日も朝からの本降りが夕方になってもやまない。
一方の関東では取水制限が始まったそうだが、そんなに降ってないのだろうか。

斜め向かいのお宅の外装工事が始まったのが梅雨入り前で、いまだに足場が外されていない。これも不順な天気のせいかもしれない。