御物展慶し御流の黄菊かな
いささか時機を外している話。
先月終わってしまっている正倉院展会場での話である。
見終わって階上の展示会場から階下に降りるとそこはミュージアムショップ。見学記念にお土産品を買う人たちで混み合っている。庭に出て抹茶もいただけるコーナーもあって、紅葉が始まっている庭園を眺めるながら休息で疲れを癒やすこともできる。
その受け付け場所に目がとまったのが「法華寺御流」とある上品な黄菊の盛花だった。
嵯峨の大覚寺を訪れたときにも、門前に立派な嵯峨御流の生け花があって、そのとき初めて「御流」という言葉を知ったのであるが、奈良の法華寺も同じく門跡寺院であり、それぞれに自派の作法を確立しているのだろう。
雑踏のなかの生花はちょっと気の毒だったが、しばらく鑑賞させていただいた。