難点

青梅の重き楽しむ梅仕事

充実した青梅が2キロくらい採れた。

東京から持ってきた梅だが、ちゃんと花が咲いてしっかり梅の実を収穫できたのは今年が初めてだ。
「桜剪るバカ、梅剪らぬバカ」というが、梅の素人剪定はけっこうむずかしいところがある。どういう風に剪ればというのは書物なりウェブで調べれば分かることだが、何が難しいかはその時期で、書物や人によって言うことはまちまちなのである。
ある人は花梅のことを言い、またある人は実梅のことを言う。
花も実もという考えるひとはあまりいないようで、去年当たりからようやくそのポイントがつかめたような気がする。
まず、実を収穫したら一回目の剪定。梅は夏に来年の花芽を形成するのでその前に枝を整える。花を咲かせ実を生らせるには、要するに短い小枝をたくさんつけさせるのがポイント。今年ぐんと伸びた長い枝を整理しながら残すものは切りつめ、夏までに新しい小枝をいっぱい発生させるわけだ。
二回目は冬、花が咲く前に込み入った枝を整理する程度にとどめる。
一般には花が咲き終わったら剪定というのがセオリーだが、これは花梅の話。実は花が終わったらつけるわけだから花の終わった枝を除去してしまったらつける実が少なくなってしまうのである。
明日はこれで梅ジュースを作る予定。あまりにうますぎて夏本番になる前になくなってしまうのが難点である。

愛嬌

あおむしを絵本に描けばあんな色

市民菜園はいまモンシロチョウの乱舞である。

薹のたった春野菜、いままさにシーズンの初夏の野菜、苗がぐんぐん伸びている夏野菜。それらの間を蝶がひっきりなしに飛び回って菜園の賑やかなこと。
こまかに観察すれば青虫もいるのだが、間近に見ると先ごろ亡くなった作家の絵本のものにもよく似ていて愛嬌のある顔立ちをしている。

悲鳴

古傷を掌でさすりやる梅雨寒し

四月上旬、中旬の気温だという。

午前中にぐんぐん気温が下がってきて、例のユニクロヒートテック製品に履き替え。ベストを羽織るだけではものたらず半纏を引き出してくる始末。
こういう日は古傷の膝が痛くて無意識に手で温めようとしてしまう。
明日は夏日に戻ると言うから体が悲鳴を上げそうだ。

僥倖

厚き雲へだてて梅雨の月の食

だめと分かっていてやはり仰いでみる。

一面の厚い雲のどこかで今何年ぶりかの天体ショーが広げられているのだが空振りである。これも記録的に早い梅雨のせいで仕方あるまい。
もし晴れていればスーパームーンだというから見事な月食立ったにちがいないが、あと3年は来ないと言うから僥倖にあずかれるのはお預けということか。

男は弱い

美容院出でて手櫛の新樹風

今日は朝からいかにも5月の天気だった。

若葉がにおうように美しい。若い楓だってまぶしい光をはなって、緑が目にも優しい。
髪伸び放題のむさ苦しさも少しは慰められようか。
家人は髪切ってきて颯爽と薫風に立つ。
やはり男は気が弱くて人に近づけない症候群。畑で虫たちと遊ぶほうが似合ってるかもしれない。

あきらめ

梅雨寒や強ばる指をなだめつつ

もう一年以上腕がしびれる。

とくにひどいのが朝起きたときで、へんにねじると痛みも伴う。
日中は手指が痺れるような麻痺するような具合で、握力が極端に落ちているのが分かる。
整形外科でちゃんと見てもらえばリハビリなおど施術も受けられると思うが、一般に整形外科の医者というのは原因をぴったり言い当てられる者は見たことがなく信用できないところがある。
それでも普通ならどこそこの医者がいいよという情報があれないいのだが、家人のいろいろ診察を受けた整形外科はどれも全く的外れな診療ぶりにを見ているので当てにならず、気がつけば1年半も我慢していた勘定になる。
もうずいぶん前のあるときから握力が極端に落ちてきており、自転車などを長時間乗ったり、アクセルを常にひねっているバイクなどはとくに長い間乗れない。
そんなこともあって半ばあきらめもしているのだが。

言うことなし

バンダナで髪かき上ぐる暑さかな

半年以上も髪切りに行ってない。

いくら伸びても頭頂部をおおうような毛髪はもはやないが、それでも側頭部、後部はゴム紐で束ねられそうなくらい。
あと2、3センチ伸びれば可能だが、それまでは襟首にうるさい。
そこで何十年も昔のバンダナを引っ張り出してきてはキャップがわりに巻き付けている。ちょっとぶかぶか気味のパナマ帽をのっければ悪くはない。
今はもうコロナ以外は何も怖くないので、笑われようが後ろ指さされようが平気である。歳をとるということはあれこれ考え悩むことも減ってなかなかいいことである。
渓山師のコメントにもあるように、自然に親しむのが一番。それでうまいものが食えるなら言うことなしである。