土壌成分

紫陽花のところをかへて色直す

青色でいい形のものが毎年咲くので挿し木で増やしてみた。

その株を親からちょっと離れたところに植えたのだが、何と赤が現れて何故だか花の色がまったく異なってしまった。
二種類の親から挿し木したのでもしかしたら札を取り違えたのかもしれないが、ミスはなかったように思う。
紫陽花は土の成分によって色を変えるというから、もしかすれば植え込みした先がいくぶん肥えているためではないかと思うのだがどうだろう。
残った苗(別の親のはず)も全部植えてみて、それも皆赤なら土壌成分依存説が正しいことになる。
平年ならば梅雨入りの頃となったが、しばらくはお預けのようだ。
紫陽花も雨待ち顔である。

青壮年

老鶯の調子に歩幅いつになく

今日の鶯は絶好調のようである。

いつになく声も大きく、同じ調子でずっと鳴き続けている。これを聞きながら歩くと自然にリズムも整い、いつもより足も能く上がるような気がした。
名前は老鶯だが、決して年老いてはいず、人間で言えば青壮年にあたるのだろう。じつに頼もしい啼き声である。

褒美

おざなりの杜鵑花に金賞授けたし

そろそろ庭の花が尽きてきた頃。

梅雨入りを前に真っ赤な杜鵑花が咲いてきた。
いつもよりちと遅いような気もするが、これも天候不順のせいか。
ともあれ、手入れらしい手入れもしてやらなかったのに、思いの外見事な咲きっぷりの杜鵑花をほめてやりたい。ご褒美は花後の剪定かな。

寛容

短夜の夢は潜在意識とか

明け方思いもよらない夢を見た。

内容はとても恥ずかしくてここには書けない。
昼寝の癖がついたのもあって、最近は眠りが浅い。六時間くらいで目が覚めることが増えてきた。夢はたいていそのころに出るようだ。朝の五時頃と言えば今はもうずいぶん明るくなっていて、そうなると寝てられない人も多かろうと思うが、自分は比較的寛容で(?)その後も蒲団にもぐっていれば復た寝できるのだが、

梅雨兆す雨に両襟かきあはす

長袖シャツでも寒いくらいの日である。

おのずから両袖をおろし襟元の釦もしっかりかけるのだが、それでも何かしていなければ肌寒い。
雨も降ったり止んだりの一日で、梅雨入りも近いことを思う。

水配り

田水みち青鷺の哲学者めく

用水から水が流れ始めた。

下の田からはじめて徐々に上の田まで水が引かれてゆくシステムのようだ。
そのおこぼれをいただくのが素人菜園。これより収穫を迎える秋口まで、バケツさえあれば水は確保できるのが助かる。
水の恵みは稲のみならず、おたまじゃくしも蛙も、そしてそれらを狙う天敵群にもその恩恵にあずかることができる。
里山の生態系の典型がまた見られる季節となった。

盆地の夏

十重二十重網巡らせて苗代田

盆地はようやく稲作りが急となってきた。

代田掻きするトラクター走り、苗代田に青いものが覗いてきた。
郡山では金魚田を取り囲む水田にトラクターがぐるぐる走り回っている。
盆地の夏の景色である。