抗しがたいもの

凍蝶の翅閉づままの命かな

日本全国が凍てている。

今日、毎月の飲み薬をもらってきた。
ここ数年安定していた血圧が高い。
これといった特別な自覚症状ないので、寒さのせいじゃないかと思うが、ちょっと冷たい風に当たっただけで血圧ってこんなに上がるものなのか。
だんだんと血管の壁がもろくなってると、弾力を失って血管拡大を妨げてしまうのかも。

古稀ともなるといろいろガタがくるもんだ。
古来稀という未体験ゾーン、さてほかにどんなことが起きるのやら。

当たり前が一番

寒梅の風をついたる開花かな

日中の温度計は五度から上がらない。

時雨の柱が西から東へどんどん移動して行く。おそらく、雪を降らせているのだろう。
時に、しまくほどでもないが、雪が風に吹かれて踊るのが見える。

明日は、もっと荒れて平野部でも雪があるかもという予報だ。
暦通り一年の中で一番寒い時期に、しばらく寒い日が続くというニュースに、なぜかほっとしたものを感じた。

滋養満点

喉ごしの温みはつかに寒卵

毎日卵を取る役得といおうか。

産みたてを生のまま飲んでみたら、喉に僅かに温みを感じたのである。
今ではほとんどの家では、卵はスーパーで買うものとなっている。
冷蔵庫保管の卵など、喉ごしはおろか味でさえ何も感じないだろう。
だいいち、鮮度が心配で、とても生のまま飲み下そうという気持ちにはなれない。
せいぜい、卵かけご飯が関の山である。

寒の卵は滋養が高く、貴重なものとされていた時代の話。

邂逅

邂逅の紅を灯して寒椿

色の少ない時期に、椿の朱は貴重な色だ。

花をいっぱいつけているわけではなく、ぽつぽつと咲いている様は、まるで紅の灯のようでもある。
どちらかと言うと、思いも寄らない時に、思いもよらない場所に見つけたりするもので、見つけた時の新鮮さは格別だ。
「邂逅」とでも言えようか。

癒しの森

神鶏にまじり斎庭の寒雀

雀が遊びに来た。

神鶏のこぼした餌でも漁っているのだろうか。
神の鶏がいる神社では、他の生き物にも優しい。
神域の森には冬鳥も多くいて、癒やされる空間だ。

レパートリー

軒下に岡持返す寒夜かな

家人が9泊10日の別荘生活から帰ってきた。

今晩は、そのお祝いである。
いつもと違うのを食べたいというので、ピザの宅配を頼んだ。
ピザは段ボールにパックされて、さらに保温材に包まれて玄関まで届けられるわけなので、岡持ちという時代がかったものには無縁だ。

別荘生活に馴染んでしまったせいか、家事が不如意なので当分はアシストする予定。
料理のレパートリーもしぜん増えるだろう。

喉を鍛える

師に続く寒声のいま変声期

寒稽古かもしれない。

この時期に喉を鍛えると、声がよくなると言われ、寒気のより厳しい朝や夜に鍛錬する。
師匠と思われる模範に続いて男の子の声が聞こえたのである。

カラオケのための寒声というのは聞いたことはないが。