二階より予約の埋まり朴の花
朴の花を上から眺める機会というのは、山登りでもしない限り少ない。
だいたいが下から眺めるだけのことが多く、一度はあの大ぶりの花を見下ろしてみたいと思う。
ある山深い宿であるが、庭に一本そびえる朴の木があって、花の時期は2階の部屋から予約が埋まっていくという。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
二階より予約の埋まり朴の花
朴の花を上から眺める機会というのは、山登りでもしない限り少ない。
だいたいが下から眺めるだけのことが多く、一度はあの大ぶりの花を見下ろしてみたいと思う。
ある山深い宿であるが、庭に一本そびえる朴の木があって、花の時期は2階の部屋から予約が埋まっていくという。
山法師影を濃くして庫裡の窓
山法師の花の色は白だが、いわゆる真っ白ではない。
どちらかというとクリーム色がかった白でしっとりした彩度があり、梅雨入り前のこの時期のしっかり茂った葉とのコントラストも相俟って目をひきつけるものがある。
古刹の庭にまわり、庫裡の角を曲がったら壁に濃い影を落とす山法師が目に飛び込んできた。
花の形などはハナミズキに似ているが、その数がはるかに控えめなところが古刹には大変好ましい。
卯の花の垣を魔除けの村はずれ
多武峰山腹の集落である。
このあたりは勧請縄と言って、悪霊、疫病が侵入しないように村の出入り口に縄を張る風習が残っている集落が見られる。集落の中には、ちょうどこの時期、村に入る手前が卯の花の垣根が盛りとなるところがある。そのまま下っていくとやがて勧請縄が張られていて、垣根はその露払いみたいなものだ。
卯の花は初夏の花。今日は午後から雨模様。梅雨にはまだ遠いが、前触れの雨かもしれない。
けふ生れし罌粟の坊主を憎みけり
罌粟坊主というのは罌粟の実である。
これからアヘンが採れるので栽培は禁止されている。
したがって、掲句は罌粟の花そっくりなナガミヒナゲシの実を眺めていて詠んだもの。
花が可愛いので放置しておくと、繁殖力が抜群に強いようでどんどん庭を占拠してしまうそうだ。種がばらまかれる前に実はさっさと摘んでしまわなけらばならない。というより、引っこ抜いてみると意外に簡単に抜けるのだが。
この手の草花をもっと知るためキヨノリ君情報の「スキマの植物図鑑」を発注したが、ただいま入荷待ちだそうだ。
レンタルの自転車列ね姫女菀
飛鳥の野はヒメジョオンの盛りである。
畦道、川沿い、いたるところに白くて可愛い花を散らせている。
平城京大極殿裏あたりも多いし、昨日訪れた藤原京跡にもよく見られた。
外来の植物だと言うが、案外古い宮址に似合う花なのかもしれない。
浄域の箒目深し樫落葉
人跡のすくない別社では境内の箒目も鮮明だ。
写真にうまく撮れれば雰囲気がわかってもらえるのだろうが、あまりにも清らかな様子に足を踏み入れるのさえためらわれるほどだ。
前日の風雨で樫や椎などの古い葉がおびただしく散っていて、風に揺れる木洩れ日がそれらのうえを優しく撫でている。