マドンナの歳月深し木の葉髪
かつてマドンナと言われていたその人を見て誰もが声を飲んだ。
皆が若くて、誰にも輝かしい未来が待っていた頃の、多くの男子の憧れの的だった彼女とは似ても似つかない、とても同一人物とは思えない変わり様に驚いたからだ。
たとえ絶世の美女であっても年齢とともに容色は衰えるのが世の習いとは言うものの、そのギャップが大きすぎる。歳月に加え、過ごしてこられた環境などにも厳しいものがあったのかもしれない。
来し方の話題はつとめて避け、当たり障りのない話題に終始したものの、かえって距離感が広がるものを感じてしまった。
兼題「木の葉髪」の習作である。


