風袋

サングラスとれて風采劣りけり

今はどこへ行くにもサングラス。

プラ製だが安くて軽くて使いやすい。
もとは自転車用に買ったものだから眼をすっぽり覆ってくれて光がもれにくく重宝している。
これほど日差しが強くなってくると、紫外線から頭、眼を守らないとダメージが大きい。紫外線アレルギーというか、すぐ汗疹がでる体質でもあるので長時間の野良仕事には長袖が欠かせない。
ともあれ、首にはタオルを巻き、帽子は目深、眼にはサングラスで、何処から見ても正体のしれない風袋。
中身はただの喜寿老人なんだけど。

夕虹

太き虹立つていいことありさうな

昨日夕方帰ってきたら珍しく太くて立派な虹が眼前に見えた。

一方の足は畝傍山あたりにかかり中天で消えているが、アーチの大きさからいうとその延長は春日山辺りをさしている。
最近よく二重虹を見るのだが、今回のはまぎれもなく一本の虹でしかも輪郭がはっきりしている。
橿原のあたりに夕立があってそれに夕陽が差し込んで生まれた虹で、我が家の位置からは日を背負うのは夕方なので朝虹は見ることはできない。朝虹は西に向かって見えるので天気が崩れる方向、逆に夕虹は明日の天気を約束するのだと言う。
案の定今日はからっとした天気で、近畿地方の梅雨明けが宣言された。
さあ気を引き締めて夏に向かっていこう。

気にしない

本性は縮れ毛なりし洗ひ髪

二人揃って伸びてきたと言うので自宅散髪の日である。

そうなれば少しでも涼しいうちにということで午前中に済ませたい。
一年ほど前から何度となく刈っているので、短時間でお好みのスタイルにするのもお手のもの。
家人の若い頃は太くて健康な髪だったからであろうが、最近は縮れ毛の傾向があるようである。そうなるとバリカンもなかなか思うように運ばず難しいのであるが、これにもだいぶ慣れた。
自分の髪は自分でやるが、これは自己責任ということになるので適当に済ませてしまう。したがって毎回どこか変な場所ができるが、自分ではよく見えないのでどうということはない。要するに気にするか、しないかである。

アナグマ

真白にぞプール日和の雲立てり

この三連休は家族でのプール行には最高の天気だった。

この熱波と言っていい天気では、外で遊ばすにはあまりに危険が多すぎる。かと言って、あちこち連れ歩くのもまた危険。
となると、手短かに近くのプールがいいとなる。
連休中近所でも小さいお子さんがいる家庭では、町営プールに出かける姿を見かけた。
ただ、油断すると紫外線によってダメージがあり、しかもその紫外線が昔の比ではないほど強いので用心にこしたことはない。
プール遊びは半日でも十分疲れるものだから、午前中の比較的紫外線が弱い時間にすませ、午後からは午睡で体力回復。
プール遊びで家族サービスするお父さんも大変だがそれも今のうち。やがて子供たちは友だち同士、自分たちだけで遊ぶようになる。
暑い夏はこれからが本番。せいぜい一緒に遊んでやることだ。
歳とって日焼けするのはガンになりやすくなって危険という。昼間はアナグマのように家にいるのがよさそうだ。

散漫

滴りて苔を一脈走りけり

水一滴が貴重な季節。

体が感じなくても水を十分に摂れという。とくに齢とってくると体温が上がっていても鈍感になるので自分では気がつかない危険が忍び寄っているらしい。そのせいか、意外にも室内での熱中症が外よりも多いというデータもあるようである。
昨日、今日あたりは今年一番の暑さ。
昨日はぼうっとしていたわけではないが迂闊にも鎌で指を傷つけてしまった。さいわいたいした傷ではなさそうだが、やはり注意力が散漫になっていたのだろう。
畑では西瓜がごろごろ生ってきて、あと一週間もすれば初収穫となりそうである。そうなると、また冷藏庫に入らないなどの騒ぎになりそうだが、素人菜園とはそんなもの。旬を迎えた野菜たちはこちらの都合にいっさい関わりなく好き勝手に実を生らせていくものだ。
いまのところ胡瓜もがぶりと噛めるし、野菜をおいしくいただけるのはありがたいことである。

落穂と雁

逍遥の彼の径消ゆる出水かな

典型的な梅雨出水が西から北へ猛威をふるっている。

被害にあっている秋田の広大な米どころを流れる雄物川は私の好きな川である。
平野部に出るとおおきな高低差もないので、無機質なコンクリート護岸も見られず、川幅たっぷりに豊富な水がとうとうと流れるさまにはなぜか懐かしささえ覚えるのである。
その雄物川がいま氾濫の怖れがあるという。
もし氾濫となると稲作地帯に甚大な被害をもたらしはしないか、それが心配である。初冬には北から渡ってきた雁や雁が落ち穂をつついていたりする光景も懐かしい。
すでに右岸側の太平川によって秋田市内中心部に大きな被害をもたらしているが、これに加えて雄物川まで氾濫となるとさらに被害がひろがる怖れがある。
このまま、水が引いてくれるよう祈るばかりである。

体を冷やす効能

菜園の手筈思案の朝ぐもり

この日を逃せばもうチャンスはない。

一昨日は雨で中断。昨日はガス欠。
ホームセンターで刈払機のガソリンを買って準備万端。
朝起きたときはいわゆる朝ぐもりで、今日の熱波が間違いない条件。
あとはいつやるか。午前中は留守番もあってタイミングを逃したので、夕方日が沈む前のかぎられた時間帯を狙うしかない。
意外に曇の時間帯が長くて午後から日が出てきたときはもう地獄。とても炎天に立ってられない。
五時から六時の短い時間を狙っていざ出勤。
次回は八月下旬頃だろうか。その次は秋。
今日も夏野菜をいっぱい収穫して、冷藏庫は満タン。というか、もうあふれている。
体を冷やすという旬の野菜を三食にいただいて、体調も悪くない。