チョコレートもらふことなく卒業す
好きな子はいた。
が、卒業までとうとうバレンタインデーのチョコレートをもらうことはなかった。
だいいち、この日にチョコレートを渡して恋心を白状するなどという慣習もなにもない時代のことだ。
さらに、卒業当時は一月を過ぎたら受験やその準備などで学校には足も向かない状況。
おまけに、受験失敗したので予備校選抜試験などがあって卒業式どころではなかったし。
もしかしたら、渡そうと思う人がいてくれたのにその機会がなかったのかもしれない。
その後サラリーマンとしてこの日を何度も迎え、そのつど義理チョコなるものをもらったが嬉しいと思ったことはなかった。
唯一の貢献元である肉親からも、チョコはあまり好きでない主には最近届かなくなった。