トーナメント

タイブレーク走者活かせず夏終る

無死走者一塁二塁。

願ってもないチャンスだが、これが延長戦となると状況は違ってくる。先攻であればしっかりものにしないと、その裏に敵チームにも同じチャンスが与えられまずは点を取られるものと覚悟してかからなければならない。チャンスだがそういうプレッシャーとも戦わなければならない。
もともと延長戦は後攻チームの方が遊離だという見方がある。きちんと相手チームの得点を防ぐことができれば。それこそビッグチャンスである。
高校野球で延長戦タイブレーク方式が取り入れられたのは、酷暑のもとで延々と試合を続けると危険が高まってきたからというのが大きい要員だろう。
この大会もタイブレーク方式の延長戦がいくつも見られるだろう。負ければ明日はなく、三年生の夏は終わるのである。

雨を恋う

カブで来て出穂うながす稲の肥

田植が早かったのに出穂が遅い。

近所の田はどこを見渡してもいくぶん丈も低いようであるし、成長も遅れているような気がする。
水は溜池が機能しているので問題ないはずなので、やはり暑さがこたえているのだろうか。
ことしの稔りはどうなるのだろうか、気にかかるところである。
乾ききった菜園は鍬、スコップが立たず、秋の畝を準備する時期に来ているのだがまったく作業にかかれない。ひたすら雨を待つ日々である。

ほどほど

颱風の進路に期する土煙

盆地の中央部には南から北へ雨がよく通るようである。

一方で、北に生駒山地、東に法隆寺裏から続く矢田丘陵にはさまれ、南に大和川を接する三角地にあたる当町は雨雲のエアポケットであるらしい。県下に夕立の予報が出ていてもまず降らないとみていい。
これは、生駒山地と金剛山地の狭間を流れ大阪へぬける大和川がまるで鞴のような格好となり雨雲は吹きぬけてしまうのである。
だから当町の地理的な形はいわば風が渦を巻くように停滞するエリアなのである。
毎日のように奈良市内では激しい夕立や台風による雨が降るが、当町にはお呼びがかからない。
田はさいわいに山の水を溜めた貯水池があるので、特段の旱でもないかぎり困ることはないようである。
ニュースでは米どころ南魚沼では川の水を水源としている地域では、川の水流が細りあと二三日雨が来ないと稲は枯れてしまうという厳しい現実を見せられた。
温暖化現象というのは触れば土砂降り、降るところには降るが降らないところには降らない。ほどほどの水量というのは難しいようである。

臭い

注文の洋書届かず秋立てり

納期をとっくに過ぎたがまだ届かぬ。

輸入ものだからある程度は日数かかることは承知だが、予定の7月22日〜8月2日(これもかなりアバウトだが)を軽くオーバーしている。
掲句はかなり臭い句である。秋と書籍。
嗤ってください。
ともかく、一度催促してみるか。

予定

夏深し町にいる子に予定聞く

明日は立秋。

暦の上では今日で夏は終わりだが、実際の肌感覚としてはまさに夏真っ盛り。夏たけなわと言っていいだろう。
夏休みに帰省するのかどうか、連絡はまだないがそろそろ予定を聞いておかないと。
気がかりは台風7号がちょうど盆休みに影響しそうなこと。民族大移動の時期に混乱を与えなければいいが。

希求し続ける

録音の鐘が鳴るなり原爆忌

町内放送が町民に黙祷を呼びかけた。

毎年この日この時間になると流れる鐘の音。どこの鐘を録音したのか知らないが、毎年同じ音である。
戦争を知らない世代が大部分となった日本で、安易に仮装敵国を築いて声高に防衛力強化を叫ぶ論者が目立つし、マスコミもまた安易にそれを報じている。
田中角栄が語ったと言う、『戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない。』という懸念が現実のものになろうとしている今、平和は努力し続けしなければ得られないことを再確認したい。

避暑

サンダルが灼けて飛び込むプールかな

まるでお湯のようだと。

町内プールから帰ってきた親子が言う。
さもあろう。家の水道でさえ西日の影響を受けた午後などはお湯が出てくる。風呂が短時間で沸くというのはまことに省エネに適ったエコな話しだが、温水プールより熱いプールなんてますます体がヒートアップするばかりで、涼を求めるにはほど遠い。
おまけにプールサイドを跣足で歩くのは危険極まりない。日中の我が家の二階のバルコニーだって、うっかり跣足で出ようものなら十秒もいられないくらい熱いのである。それ以上いたらやけどは間違いない。
プールが涼しくなければ、水浴びと言えばもう川くらいしか行くところがないが、これはこれで大変危険なこととて、さて困ったものである。
どこか高度の高いところに避暑するしかないのであろうか。