発祥は

春めくやこんなところに瓦蕎麦

竹内街道の近く、当麻の道路沿いの何の変哲もないところに瓦蕎麦の看板。

珍しい店があるもんだと思って調べたら、瓦蕎麦の発祥は山口県らしい。
関東でもやはり見たことはなかったのが合点がいった。また、どこかローカルのイメージがあるうえ、蕎麦よりむしろうどん圏の関西で見かけるのは意外なことである。
蕎麦と言えばざるというイメージなのでいつも通り過ぎるだけで終わるが、春になったことでもあるし次の彼岸参りのついでにでも寄ってみるのは悪くない。

一変

河津桜目当ての臨時駐車場

今日は朝から冷たい雨でクリニックへ薬もらいに行っただけ。

そこで一昨日のネタになってしまうのは仕方がない。
ふだんなら渋滞がないところを、信号待ち何回か。なぜかな?と考えてみれば近くには県立公園がある。すると、この時期は何だろうかと考える。
梅か?いやこれはもう終わってるはず。そこでまた考える。(渋滞で考える時間はたっぷうりある)。
あ、そうかとガッテンのこぶしを打つ。新名物「河津桜」だ。幼木がこのほど数年で花をつけるようになって年々人気があがってるようだ。たまたま日曜日の人出に遭遇したのが原因。
たしか、越してきてまもなくの春、やたら混むなと思ったらその公園のチューリップ祭とぶつかったのだった。
当地は、平日の道路はスムーズに流れるが土日となると一変する。どこへ行くのか知らないが、あちこちで渋滞にはまってしまう。行楽の少ない土地だけにいったいどこへ出かけるのか不思議でならない。

シニア女性

シニアらのラヂヲ体操暮遅し

昨年完成したシニア用公園からラジオ体操が聞こえる。

近くの団地のシニア会だと思われるが、いつも六、七名ほどが午後五時を知らせる街の防災放送を合図に集まってきているようだ。冬の間は四時ごろだったと記憶するが徐々に日が伸びてきて、春分の日だって近い。
最初の頃は男性もいたようだが、今はどういうわけか女性ばかり。女性長寿の傾向を反映してか、男性はここでも萎縮しているのかもしれない。
腰から来る間欠性跛行の症状があるので長い時間を歩けず、腰を屈曲するなどすると症状が治まり再び歩けるようになるので、いつも休憩を取る公園だ。元気な女性陣を横目に強ばった独り腰をほぐしているのも情けないものだ。

二物

飛ぶよりは駆けるが捷ききぎすかな

飛ぶのは上手ではないのかもしれない。

どういうわけか雉を目撃するのはいつも二足で走っている姿で、本人は真剣に逃げているつもりなだろうが、がに股で走る姿は滑稽そのもので毎回吹き出してしまう。むかしに流行ったコマーシャル、あのエリマキトカゲの爆走の姿にそっくりなのである。
考えてみれば、トカゲも鳥も恐竜の末裔だから、当たり前と言えば当たり前なのだが。
鳴かなければ撃たれずというが、どうにも雉はどんぐさそうでこれでは簡単に人間の餌食になってしまうと言っていい。
雄のあの優美な姿をもらった分だけ、ちゃんとプラマイゼロになって二物を与えられるものはそうはいないということだ。
ところで、大和川河原にもちゃんと雉が棲み着いていて、その大和川河原は今真っ黄色い西洋芥子菜の花で覆われている。

動かない日

春寒の音たてすする茶粥かな
細き雨宙に吹き上げ春寒し

天気予報とは裏腹にまたも寒い一日だった。

おまけにときに小雨がぱらつき、これが北風に舞いあげられるというおまけまでつく寒さだ。
三月とはいえ風の冷たさに畑に出ることもためらわれる。
室内もかろうじて気温17度と暖房を入れる入れないの境目。猫どもに急かされていつもより早めのスウィッチが入り、足元を温めているうちにいつの間にかうつらうつらと。
動かない一日に、腹に軽くすませる茶粥となった。

巻き戻し

聞き馴れぬ語学放送春眠し

ラヂオ第二を聞くともなく聞く。

童話あり、外国語ニュースあり、カルチャーラヂオあり、音の風景、ラヂオ体操などなど、しかし圧倒的に多いのが語学番組である。英語にかぎらず、世界の主な言語を網羅しており、英語などは基礎から上級ビジネス英語まできめ細かい。
もしも、ラヂオに対座して真剣に耳を傾けていれば各国の言葉を少なくともヒアリングくらいできそうなものだが、そこは「ながら族」の悲しさ、どんな番組もBGMのように聞き流しているわけだから身につくわけはない。
悲しいかな、この齢になってまるでかんたんに睡眠術にかかるように気がつけば居眠りしていることが多くなった。
とりわけ、朝の日課を終えて一息ついているとき、番組がひとつ二つ先に進んでいることもある。デジタルで聞いているので巻き戻せばいいのであるが、そこまでの気力も起こらない春である。

解体

古アパート荒るるにまかせ春寒し

隣接していたスーパーが解体され新規建て替えとなったので余計に目立つ。

四階建てコンクリート造りのアパートの窓という窓はベニア板で覆われ中の荒れようは外からは見えなくなったが、それまでは不法投棄と思われる大型ゴミが山のように積まれ目も当てられない状態であった。これが最寄りの駅前でかつ往来の多い県道に面しているのでいやでも目に入ってくる。
解体となると数千万円はかかると思われ、そうした負担が嫌われたかいっこうに解体工事の話しは聞かない。古い建物が放置されるのは往々にして相続の問題があったり、権利関係がはっきりしないことがあるようである。
防犯上も問題ありそうで、付近住民も困ったことと頭を悩ませていることだろう。
ロケーションのいい場所に鼻つまみがでんと座っているのをみると、今日の春の寒さがいっそうしみてくる。