膝折りてダッシュの汗の落ちにけり
汗落ちて土は煙を吐きにけり
朝練とはいえ、旱がつづくグラウンドは乾ききっている。
甲子園のようによく整備されたグラウンドにはほど遠い校庭などでは、関東ロ−ム層に典型的なように土の性質によっては細かい粒子のようになって、少しの風にも土煙が舞い立つし、雨が降れば水はけが悪くいつまでもぬかるみが消えないという、選手泣かせのところもある。
先ほどからダッシュ何本もやって、膝に手をやり息を整えているが、さかんに吹き出している汗が滴り落ち、それがミルクの王冠のような跡になって土煙をあげる。
夏も終わりに近い。
甲子園が始まるといよいよ秋が顔を出してくる。
